【鬼灯の冷徹】神獣の部下は何故か色んな人に愛されます…part2

50話 ページ1

sideA

あ、お客様です。

｢モテる薬ください！｣

白澤｢なんて？｣

？

｢それかその子ください！｣

白澤｢カウンセリングしてあげるよ。｣

？

桃太郎(切り替えの速さが凄い…)

白澤｢Aー。生薬取ってきて。｣

はーい。

トコトコと外に出て生薬を育ててる畑に行きます。

｢…大きく、なら、れた。｣

かなり長身の男性が居ました。

金色の目に私と同じ髪色。

鋭い犬歯に尖った耳。

細い目は私を優しく映す。

A『ど、どちら……さま……？』

｢…我を知らぬのは、当たり前…だ。｣

薬箱を担いでいるその人の尖って長い爪が優しく頬をさする……

｢……ややこ…大きく、なった…｣

やや、こ？

｢…やっと、逢えた…｣

甘い匂いがしました。

白澤｢僕の娘に何してる。｣

｢…お前の親か？｣

A『は、白澤様…！』

白澤｢A。｣

｢…うぬの問に答えよう……我と我が愛した女の血を受けたのは紛れもなく、その娘。｣


私の、本当の…

血の繋がった…

A『お父さん…？』

｢さよう。｣

また長い爪が優しく私に触れる。

｢母に、似たな。髪色さえ違えば、母、そのもの。｣

また優しく私を撫でるヒト。

｢我は過ちを犯した。愛した女とややこに逢えないぐらいの暗闇…母は必死の想いでお前を産んだ。｣


side？

誰も知らない物語。

普通の狐妖怪の我。

愛した女は嫁いだ先が地獄より酷い場所でボロボロだった。

女は我に

｢一晩で良いんです…匿ってください…｣

清潔にした女は美しかった。

得意の術で女に術を掛けて匿っていく日々を送った。

ある日、女は我に言った。

｢あなた様…私は母になりました。｣

我と女に子が授かった。


女は嫁いだ先をすっかり忘れた頃、

荒れに荒れた旦那が女を戻そうとした。

地位だけは持ってる地位に縋る小さな男。

その地位というくだらないもので我は罪人となった。


女は必死に逃げた。

｢ややこ…お父さんは助けるからね……一緒に暮らそうね……｣


｢一晩だけで良いんです！泊めてください！｣

｢悪いが…｣

｢ややこ…母さんが守るからね……｣

｢……｣


｢居たぞ！｣

｢罪人の子など流してしまえ！｣


｢この子を…私の幸せをこれ以上奪わないでっ！｣


｢子はどうした。穢れた罪人との忌み子。｣

｢辺りを探して始末するつもりです。｣

｢やめて……私の…可愛い…｣


｢忌み子｣

｢捨てられた子｣

違う。

我と女はお前を


｢愛しているぞ、我が子や。｣

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