憂鬱のお嬢様-3-【SERVAMP】

81.密かな願い ページ23

「A、お前の名字は柊、だよな」


真昼はそう聞いた。
Aは答えなかったが、代わりにベルキアが「そうに決まってンだろォ〜？」と笑う



「…じゃあ"橘"って名字に、心当たりは―――ｯ!?」




瞬間。
橘という単語を聞いた瞬間、真昼は怒りの気配を感じだ。


嫌な汗が、ぶわっと出てきた。



『あぁ…本当に嫌だ。あいつらは、嫌いだ。
家族を傷つけて……、邪魔ばかりして




それから真昼、間違ってももうその名前で、呼ばないで』




はじめて聞く、怒りの声に、恐怖した。
体の震えが、止まらない



「ｯなあ、教えてくれよ。どうしてこんなことを」



するんだ、と聞こうとした。
しかし、その場にはもうベルキアもAの姿もなかった



「ｯ…A」



*


『…サクヤ』


「寄り道しないようにAを付かせたのに…なんで寄り道すんだよ」



桜哉はあの一瞬のうちに二人を連れると、怒ったような口調でそう言った。




『ああ…ごめん。
行こう、みんな待ってる。』



リードを出してベルキアと桜哉とともに待ち合わせの場所へと向かう。




そんななか、桜哉は椿たちのする戦争を止めてほしいと真昼に願う。





それから




___Aのことも、助けてやってほしい




密かに願う、彼の願いは真昼に届くのだろうか




.

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