番外編＊Happy Birthday!8 ページ43
『あ！中原さん！お帰りなさい！』
其処へ、タイミングよくAが帰ってきた。
『？あれ、みっちーどうかしたんですか？』
中原はさっと負のオーラをしまい、にこやかに答える。
中「さぁな。忙しいんじゃねえか？それより、遅かったな、A。」
『そうなんですよ！もー、聞いてください。うちのクラスったら、文化祭の出し物決めるだけで何時間も掛かってるんですよ！然も決まらなかったし！』
中「文化祭この時期にやんのか。大変だな、学生も。」
勿論、嘘っぱちだ。予定より早く帰還している中原を見つけて、数十秒の間にAが考え出した云い訳に過ぎない。確かに今日のホームルームは出し物決めだったが、ちゃんと時間内に終わった。
下手に隠すより怪しまれないだろうと咄嗟に考えたAだったが、中原はまんまと引っかかり内心ホッとして居た。
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中原は、苛々していた。
朝から、Aの姿が見えないからだ。
別に、補佐だからと云って四六時中一緒に居なければいけない訳ではない。別の仕事があるときもある。然し、出来ればずぅっと横に置いておきたい中原にすれば、学校が無いのに会えないというのは如何ともしがたい事だった。本音を云えば、関西出張だって連れて行きたかった程だ。
少し暇ができた中原は、別に用がある訳でも無いがAを探し始めた。手始めに紅葉の元に赴く。
コンコン
中「姐さん、俺です。少し宜しいですか？」
紅「良いぞ。入りなんし。」
中「失礼します。」
部屋に入ると、紅葉は抹茶を立てている最中だった。
中「おっと…邪魔してすみません。A見ていませんか？」
紅「Aか？彼奴なら、一時間程前に外出したぞ。」
中「外出…そうですか。ありがとうございます。失礼しました。」
紅「ちいと待て。折角だから飲んでいくと良い。」
中「そうですか？…それじゃ、お言葉に甘えて。」
中原は紅葉の向かいに座り、出された碗を手に取る。
紅葉の直轄部隊で育った中原は、戦闘と同じように礼儀作法なども仕込まれているため、元を離れた今でも当然のように作法が染み付いているのだった。
紅「うむ、合格じゃ。……そういえば、前にAに振る舞ったときも見事な作法じゃった。」
中「嗚呼。彼奴は育ちがいいですからね。」
紅「………そうじゃの。」
そして、ほぼ無意識のうちに自分の補佐官を褒めるのも、最早癖のようなものだった。
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あぽー - すみれさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです。頑張ります^ ^ (2018年1月18日 1時) (
レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 凄く面白いです！続き楽しみにしてます！！ (2018年1月13日 22時) (レス) id: 376cb507e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あぽー | 作成日時：2018年1月2日 1時
