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番外編*ホワイトデイ4 ページ32

彼此一時間ほど洋服を着たり脱いだりしていると、流石の中原さんも満足したのか、「ンじゃ今の全部会計で。」と店員さんに云い付けた。

『本当に全部戴いてしまって良いんですか?』
中「当たり前だろ。今日は遠慮すんなって云ったろ?」
『はぁ、………では、有り難く頂戴します。』
中「おう、そうしろ。」
申し訳ないけれど、だからといって好意を無下にも出来ない。


洋服やら靴やらの包みを車に積むと、行きたい所はないかと聞かれた。
『行きたい所、ですか?』
中「嗚呼。手前、学校無くても仕事やら何やら、全然遊んで無えだろ。なんか無えのかよ。」
………私としては、中原さんの側に居られるだけで充分なんだけどなぁ。
まぁ、恥ずかしいから云わないけど。

『そうですね…じゃあ、商店街の方に最近出来た雑貨屋さんを見てみたいです。』
中「雑貨屋…嗚呼、あそこか。良いぞ。」

何で中原さんは出来たばかりの雑貨屋さんまで把握してるんだろう。



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪



その後も、お洒落なカフェでお茶をしたり、美味しいと評判のクレープを食べたり、公園で夕日を見たり…と、図らずもデート度は増しに増して、今に至る。

因みに現在、高級レストランの貸切小部屋でディナー中。

……なまじ静かな所為で、緊張ゲージが振り切れそうです。

フレンチのコースなんて初めてだし、部屋に二人きりだし、ステーキを切って口に運ぶ動作は洗練されていて綺麗だし、粗雑に見えがちな普段から考えると中原さんはエスコートから何から美しくて何処か色っぽいし………

って、私は何を…


兎に角!お料理に集中!


『中原さん。』
中「ん?如何した?」
『今日はお酒、飲まないんですね。』
赤身肉には赤葡萄酒が合うと聞いたことがあったけど、中原さんが飲んでいるのは私と同じ烏龍茶。
中「ま、今日は車だからな。別に置いて行っても良いんだが……其れに、今日は潰れたく無え。」
『そ、そうですか…』

そしてまた、沈黙。

店に来てからと云うもの、中原さんはあまりしゃべらない。まぁ、私も何だけど。でも、中原さんの方は気まずそうでも無いから、お高いレストランってこう云うものなのかな、って思ったり思わなかったり。

因みに、私は気まずい。何でも良いから何か喋って欲しい。のでちょいちょい質問したりして居る。中原さんは拒む訳では無いけど、返しのトーンがいつもより静かな気がする。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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あぽー - すみれさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです。頑張ります^ ^ (2018年1月18日 1時) (レス) id: d7427a48c9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - 凄く面白いです!続き楽しみにしてます!! (2018年1月13日 22時) (レス) id: 376cb507e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あぽー | 作成日時:2018年1月2日 1時

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