拾って部下にしたJKは元相棒の妹！？2

69.ゆるふわ会議 ページ21

SideT

ただ今午前十一時。会議の時間だ。


然し。

入ってから此処数週間で判ったけど、首領、姐さん、中原さんのお三方の会議は、昔馴染みであるせいか、如何もゆるい。ゆるふわ会議である。因みに此れは立原さんも共感してくれた。

此処での私の仕事は、矢っ張りお茶淹れ。最初に参加した時、首領が、「嗚呼此れで広津さんに頼まなくて済むねぇ。」とか仰ってだけど、本当だとしたら末恐ろしい。

お茶を淹れ終わったら、お代わりがあるまで中原さんの後ろに控えて待機。

森「A君、無理せず座ってくれて良いよ？」
『いえ首領、お気遣い無く。』
森「そうかい？本当に？」
『はい。大丈夫です。』
幾ら直属とは云え、部下は部下。そこんとこはっきり分けるべきだと私は思うけど、首領は毎回勧めて来る。

今日の議題は、エリス嬢のご機嫌取りになる何かは無いか。

………今更だけど、態々幹部を集めて話し合う必要はあるんだろうか。ほんと、今更だけど。なんせ此のゆるふわ会議は毎回こんな感じだ。

森「此の前、急に仕事が入ってしまったからA君に代理を頼んだろう？あれから、如何も私の信用が無くなっているようでねぇ。何を云ってもどうせまたすっぽかすんでしょ、って聞いてくれないのだよ。」
そう云う首領は、困ったようではあるが、如何にも頰が緩んでる。此の光景を見て一体何人が此の人を泣く子も黙るポートマフィアの首領だと思うだろうか。

紅「其れは鷗外殿が悪いの。女心を判って居らぬからじゃ。」

………姐さん、突っ込むべきは其所では無く、仕事しろ、では無いですかね。

中「では首領、エリス嬢の喜びそうな洋菓子を用意してサプライズなど如何でしょう。」
森「うーん、あんまりコソコソしてもエリスちゃんは直ぐ感ついちゃうのだよねぇ。」
紅「其れぐらい自分で何とかせい。抑もお主、ちゃんと謝ったのかえ？偶には其のふざけた笑みを抑えて真剣に謝ってみたら如何なのじゃ。」
森「紅葉君酷いよ！」
中「では、前々から約束しておくのでは無く、出掛ける寸前に云い出せばすっぽかすと云うことは無いのではないでしょうか？」
紅「其れは良い考えじゃ。エリスはお主と違ごうて何時でも良いしのう。」
森「成る程ねぇ。」

上司達のそんな会話を、聞くともなしに聞いていると。

あれ、おかしいな。
なんか視界がぼやけて………

ぐるん

天井が回った。

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