拾って部下にしたJKは元相棒の妹！？2

66.イケメンの壁ドンは凶器。 ページ18

『あ、あの………』
中「…………」

ぎゅっと目を瞑れば、背中に軽い衝撃と、目の前に人の気配。

恐る恐る目を開けると、顔の横には中原さんの手。と云うか顔のど真ん前に中原さん。

うわぁ、格好良い。

て、そうで無く。
此れはあれですか？俗に云うところの壁ドンという奴ですか？

わわわわ、近い近い近い‼

『あのっ、な、中原さ、「あのなぁ。」

ひいぃぃ

中「何を隠してるかは知らねえが、一般人はそう川には落ちねえよ。もうちっとマシな言い訳考えろ。」

ごごごごごめんなさいっ！

中「で？何があった？俺に隠し事はしない方が身の為だぜ。」

えーと、えと、

此れは、話さないと拙い奴ですね？

そもそも、中原さんの顔というかもう何もかも近過ぎて私の心臓が爆発しそう。

観念して事のあらましを全て話せば、ちゃんと正直に話したのに何故か中原さんの機嫌は治るどころか駄々下がり。

中「服を貰って風呂を借りただと？あの屑野郎にか？」
『はい。………あと、部屋の片付けも少々………』
中「…っチッ」
舌打ちされた…
『いや其のっ変に断っても怪しまれるかなって思って！飽く迄も表向きは普通の高校生ですし！』
中「普通の女子高生なら尚更断れ！幾ら面識があって、其れも探偵社員だからってひょいひょい付いてったら危ねェだろ！挙げ句の果てには風呂まで入っただァ？何されてもおかしく無えンだぞ！」

犯罪組織の上役の癖に、お節介なお巡りさんみたいな事を云う。だからといって、だって兄妹だから仕方無いじゃないですか、とは云えない。

『中原さん、心配し過ぎですよ。何も変な事はされませんでしたし、』
まぁ当り前なんだけど。
中「いいや手前は無防備過ぎる！彼奴は女癖悪ィって前にも云ったろ‼」
確かに聞いたけど………此れは駄目だ。

『はい……すみません………』
素直に謝れば、ふっと笑ってくれた。

ああ、怖かったぁ………
中「判りゃ良い。怒鳴って悪かったな。………ンじゃァ、其れ脱げ。」

へっ⁈
なっなななななな何をっ
中「何慌ててンだよ。とっとと其れ脱いでその胸糞悪い服を着替えろ。」
ああ、成る程。
『りょ、了解致しましたっ！！！ 』

逃げる様に執務室を後にする。
………駄目だ、もう限界！



SideN

バタンと扉が閉まり、静寂が訪れる。

俺も駄目だな。ついカッとなって怒鳴っちまった。あの様子じゃ、きっと怖がらせちまった。

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