【テニプリ】放送委員の憂鬱

保健委員と寝不足(前編) ページ25

お昼休み、
先生がおらんくて保健室でお留守番。
言うてもお昼休みに保健室来る人なんて早々おらんけどなぁ。
でも静かで一番落ち着いて食べられるところや
教室で騒いで食べるんもええねんけど…たまにはええやろ

ドドドドッ

廊下でものごっつスピードで走っとる音がする。だめやでー廊下で走っちゃ。

バンッ

「！？…驚いたわぁ…ケンヤか。」

「すまん！ちょいとコイツ寝かせたってくれ」

「保健室は寝るとこちゃうで…て、よく見たらAちゃん担いどるやん！はよこっち」

「差別が激しい」

勢いよくドアが開いたとおもたら、ケンヤやった。しかも後ろにAちゃん担いどる。

「Aな、寝不足らしい」

「ホンマや、よく見たら隈あるし顔も青白い。そしてぷっくりとした口に高くて細い鼻、エクスタシーなお目目がついとる。美人さんや」

「いや最後のただの紹介やん！！エクスタシーな目てなんやねん」

目の前に寝てる好きな子の頭を撫でる。
ていうか寝不足て？Aちゃん倒れたん？

「あ。安心し、別に倒れたとかちゃうで」

あ、しれっと心読みおった。
そんならええんやけどなぁ…。

「ほな、俺行くわ。後は頼んだで！」

「頼む…？Aちゃんはケンヤの物ちゃうで？頼まれんくてもちゃんと「もうええわ！！ほな、また後でな！」

ケンヤが出ていき、2人きりになる。
保健室がシーーンとなって、Aちゃんの寝息だけが聞こえる。
なんとなく、居心地が悪い。ていうか、何したらええんや！

…自分の寝顔なんて、あんま見られたくないよな。女の子やし…。

少し離れたところに座る。
けど、気になってチラチラとAちゃんを見てしまう。
布団がもぞっと動くのがもう可愛ええ。布団が可愛ええってなんなん？

昼休みまであと10分。
起こすべきなんかな？わからん…。
でもギリギリで起こしてみんなに寝起きのAちゃん見られるのは…あかん。

なんとなく包帯を巻いたり解いたりを繰り返す。

そんなこんなで残りもう少しで予鈴がなる5分前。

「おーう白石ー調子どや？」

「ケンヤ！！なあ、この状態どうすればええの？教えてケンヤ先生」

「すいませんよくわかりません。」

そう流されながらもケンヤはAちゃんに近づく。ケンヤとAちゃんって、兄妹みたいやな。

「なあ白石、どうせ次集会やし、サボらへん？」

「賛成」

こうしてAちゃんが起きるまで待つことにした。Aちゃん見守り隊結成や！！

放送委員と寝不足(後編)→←放送委員とお出かけ (後編)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す