【テニプリ】放送委員の憂鬱

放送委員の放課後 ページ3

「じゃあねー白石君ー！」

「おん、また明日な」

目の前で繰り出されるものは残念やけどAと白石やない。
アイツもこんな感じで話しかければええのに。

「謙也君…」

ああーもう、次々と他の女子は白石にさよならの挨拶しとるで、ちゅーかアイツなにしとんねん
はよ来いや！今なら流れで行けるっちゅーのに！！

「け・ん・や・くーん！」

「今声が…ってんあが！？！？」

何故だか下の方から声がすると思うて下を向いたら俺の机の下に名前がおった。なんでおるん！！怖いわ！いつ入ったんや…。

「どうしよう。乗り遅れた」

「はぁ？今チャンスや。今しかない！」

小声でAとやりとりをする。
傍から見たら椅子に座ったまま机の中に顔突っ込んどるアホみたいになっとるやつや。

「ケンヤ、何や探し物か？」

さっきまであっちに居た白石が後ろにおった。
あかん、変な誤解も生まれそうやしこの体制もキツいしちゅーかこっち来んなや！！

「あーあー消しゴムがな、見つからんくて」

「手伝うで」

「ええわ！諦めるわ！」

「…珍しいな？」

勘が鋭い白石はいつも俺が大事に使うていた消しゴムを諦めるのはおかしいと何かを怪しんどる。あかん。さいっこうにまずい。

「ねーねー謙也君、誰と話してるの？」

「白石や。こっち来る」

「えっ！？！？」

ガタッ

白石と言った瞬間、俺の机はガタッと飛び跳ねた。
その衝撃で頭ぶつける。痛い。
そうやなくて！あかん、やばい！

「ケンヤ、机が…」

「えっと、俺の足が当たったみたいやな、イテテ。」

「いや、ごっつ足開いとるやん。…隠し事か？」

ズカズカとこっちに来よった白石は難なく俺をどけ机の中を見た。

「あっ」

見つかった。
Aは白石を直で見たせいか目が回っとる。
あかん、重症やしなんか誤解されそうやし最悪や。

「黒崎さんやん。隠れんぼでもしとったんか？」

「へっ、あ、っ、う、うむ。」

嫌なんやねんその相槌。どこの人や。
でも白石ナイスや。それ作戦にしたるわ。

「そーやねん。コイツ友達と隠れんぼするって俺の机の中に隠れよって。焦ったわホンマ。」

「そうなんや。スマンなぁ、余計なことしてもうたな。誰と隠れんぼしてたん？」

「へっあっあっ、白石クンッ」

アホかコイツ。壊れかけのドラえもんやないか。
てか白石といつかくれんぼしたんや。せっかく救ってやったっちゅーのに！！

俺が頭を抱えていると、白石は笑っとった。

「俺としとったんか！ほな、見つけたわ」

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