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学校が休みの土曜日、Aさんは眼科行くべきか迷いに迷っていた。どうやらコンタクトレンズが切れてしまったらしい。
「行ってきたら？」
「うーんでも、でもなあ･･････」
言いながらカーテンの外を見たAさんは「ひっ」と小さく悲鳴をあげる。
「やめます」
後回しにする方が面倒なのではないかと思ったが、それを告げたところ「だって雪ですよ！？雪！昨日より積もってる！やだ！」と言われて先ほどあげた悲鳴の理由に納得する。なるほどAさんが開けたカーテンの向こうは銀世界だ。
昨日の日中に一度溶けたはずのそれを思うとうんざりするのも分からなくはない。
「月曜日の午後に行きます。土曜よりは空いてると思うし」
俺としては眼鏡がないAさんの方が愛らしいとは思うが、本人が構わないと言うのならばとやかく言う筋合いはないだろう。Aさんは髪の毛を結びながらキッチンに立つと、てきぱきと朝食の準備に取り掛かった。
昼食に使った食器を洗い終えてリビングに戻ると、Aさんは炬燵の中でゲームに熱中していた。午前中は課題をこなしたから、午後からは遊ぶのだと彼女は得意げに言う。少し覗き込んだが、見た目の可愛らしいどうぶつにプレゼントを与えては魚を釣り、網を持って走り回っている。やったことあるな、これ。
「え！スマイルさんゲームするんですか」
「まあ･･････それなりに」
「普段スマホも全然見てないのに。･･････ふふ、かわいい、癒される」
「それはよかった」
スマホから顔もあげずにいるAさんは集中しているのか、炬燵の中で伸ばした足が俺の膝に触れても全く意に介さない。読んでいた本から視線をあげて彼女の横顔を盗み見ると、課題をこなしているときとはまた違う、腑抜けた表情をしていたものだから、思わず笑みがこぼれてしまった。
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taka10(プロフ) - 少しずつ変化していくふたりの心情に、胸が締め付けられます…… 折り返し過ぎてしまって、どんな結末を迎えるのか楽しみでもあり、不安でもあり、そしてやはり終わってほしくない、ずっと見ていたい気持ちもあります… 無理なさらず更新頑張ってください。 (2月25日 8時) (
レス) id: fe4fec6c9e (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ(プロフ) - taka10さん» コメントありがとうございます。いつか別れが来るとわかっていながら、距離を近づけていくことを意識しているのでそう言っていただけてとても嬉しいです！まだ半分程度ではありますが、完結までご一緒いただけると幸いです。 (2月4日 22時) (レス) id: 05a7068e83 (このIDを非表示/違反報告)
taka10(プロフ) - 丁寧な距離感の描写がとても素敵です。もどかしいような、じれったいような、でも終わってほしくないという矛盾した気持ちになりながら読ませていただいています。 (2月4日 16時) (レス) id: fe4fec6c9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やなぎ | 作成日時：2024年2月3日 13時
