ホウセキ箱 (ページ8)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:10,235 hit

彼は私の…　GC ver.2 ページ8

GC「ねぇAー
　疲れて歩けないから引っ張ってー」

帰り道の途中、甘える様にそう言いながら長い両手を伸ばしてるチャニ

「…なにやってんの」

GC「だからぁー、引っ張ってよ」

少しむくれながら私にそう言うチャニに
「ったく、子供じゃないんだから」なんて言って先に進もうと思ったけど、
無視すると益々騒ぎ出すのは目に見えてるから、私は呆れながらもチャニの手をとった

「ほらっ、引っ張ってあげてるんだから
　ちゃんと歩いてよ」

GC「んー」

「……」

学校では完璧な男なんて言われてるチャニだけど、
家では髪はボサボサで年がら年中お気に入りのメーカーのボロジャージしか着ない、
たまに幼稚園児みたいな事をするこの男を誰が完璧だと思えるんだろう。
本当…学校中の女子にこの姿を見せてやりたいくらいだ

GC「ねぇ、そういえばそろそろ
　 Aの誕生日だよね」

引っ張る手をブンブン振りながら嬉しそうにそう話すチャニ

「え?あぁ、そうだね。
　そういうチャニも次の週じゃん」

GC「うんっ」

私達の誕生日は一週間違い。
だから小さい頃からケーキはひとつで済まされる事が多かった

GC「Aももう18歳かぁ」

「フッ、チャニもでしょ」

GC「僕たち18年も一緒に居るんだね」

「そうだねぇ」

生まれてから18年、ずっとチャニと一緒に居る…
今まではそれが当たり前だと思ってたけど、
そうじゃないんだって事が私にも最近ようやく分かって来た

GC「ねぇ…僕たち18年も一緒に居るんだしさ、
　幼馴染っていうの、もう止めない?」

「…え?」

GC「そろそろ…別の関係に
　なってもいいと思うんだけどな」

「……」

GC「例えば…恋人同士とかさ」

おどけながらそんな事を言ってくるチャニに苦笑いで返した私

「またそんな冗談ばっかり…」

GC「冗談じゃないよ…」

繋がれた手の力がギュッと強さを増した…

GC「もし今度誰かに
　 “付き合ってるんですか”って聞かれたら
　 “そうだよ”って言ってもいい?」

「……」

今まであんなに嫌だったのに、
早く誰かに“付き合ってるんですか”って聞いて欲しい…なんて思った

―ＥＮＤ―

　