ホウセキ箱 (ページ5)

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彼は私の…　BR ver.1 ページ5

周りはいつも…私を見てこう言う、
『ねぇ、バロ君って怖くない?カッコイイけど近寄りにくいんだよね』…って。
その度に私はこう答える、『そう?別に怖くはないけど…』って。

気分屋で無愛想な所があるバロだから、
あまり知らない人からはちょっと怖いって思われる事が多いけど私にとっては全然そんな事ない。
それは私の前でのバロは、明るくてお調子者で良く喋るし良く笑うから。
でもそれは私達が恋人同士だからって訳じゃない、
兄弟って関係でもなければ友達っていうのもちょっと違う…

彼は私の……幼馴染だから。

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SD「あれ、2人共もう帰るの?」

授業も終わって帰ろうとバロと2人でグラウンドの横を歩いていると、
フェンス越しにクラスメイトのサンドゥルが話しかけて来た

「あ、サンドゥル。私達はもう帰るよ」

BR「なに、今から部活?」

SD「うん」

「大変だねぇー陸上部も。
　そういえばもうすぐ大会あるんだっけ?」

なんて3人でそんな他愛も無い話しをしていると、
“「ほらっ行ってきなよ」”というヒソヒソ声と共に私達の前に現れた数名の女の子

女子「あ、あのっ!!バロ君!!」

そう言って、真ん中に居る子が一歩前に足を踏み出した

BR「……」

女子「えっと…あの、これ…」

無言のままのバロを目の前におずおずと差し出されたのは、
何やら可愛いお菓子の箱のようなもの…
あの箱から推測するに、チョコかクッキーって所だ。
長年一緒に居て、大抵の女子はバロを怖がって近寄らないけど、
たまに居たりする…こうやってバロに贈り物をしてくる怖いもの知らずな女の子が

女子「良かったら、食べてもらえませんか」

BR「俺、甘いの嫌いだから」

有無を言わさずそれだけ吐いて歩いて行ったバロ。
そんな冷たい態度を見て、女の子達も走り去って行ってしまった…

「あーぁ…あんな言い方しなくても…
　もうちょっと優しくしてあげたらいいのに」

SD「いつもあんなだもんね、
　バロが優しいのってAにだけじゃない?」

“「もしかして何か弱みでも握ってんの?」”なんて笑って言いながら
サンドゥルもグラウンドへと消えていった…

　