ホウセキ箱 (ページ4)

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彼は私の…　SD ver.2 ページ4

「少しくらいくれたって良いでしょ!?」

SD「Aの少しは少しじゃないもんっ!!」

ポッキーをくれるくれない…道の真ん中でそんな低レベルな争いをしていると、
“「Aちゃん」”と突然声をかけられ私は振り向いた

「あ、バロくん」

振り返るとそこには、先週塾で知り合ったバロ君が…

BR「Aちゃん今日塾?」

「え、あぁうん。そうだよ」

BR「そっか、俺も」

私と会話しながらチラッと隣りに居るサンドゥルを見たバロ君が
「…誰?…もしかして彼氏?」なんて
耳打ちするように聞いて来るから私は少し笑ってしまった

「え?彼氏?ははっ、んなわけないよ。
　サンドゥルはただの幼馴染」

BR「ふーん、幼馴染…」

そう返事をした後塾まで一緒に行かないかと言うバロ君に、
教材を取りに一度家に戻らなければいけない事を説明して別れを告げ、
待たされたからか少し不機嫌顔のサンドゥルと並んで私は再び歩き始めた

SD「A…」

少し歩いた所で立ち止まり、私を見るサンドゥル

SD「僕って…ただの幼馴染なの?」

「…え?」

SD「Aにとって僕は…ただの幼馴染?」

「…ちょっと、今さら何言ってんの?
　昔から一緒に居るし、それって幼馴染でしょ」

そう言って私が笑ってもサンドゥルはいつものように笑ってはくれなくて、
私の笑いも段々と小さくなっていく…

「どうしたのよ…いきなり…」

SD「…僕にとっては…特別だよ」

「……」

SD「僕にとってAは…
　昔からずっと、特別な存在なのに」

“「Aはそうじゃないの?」”なんて真面目な顔をして聞くから、
なんて答えていいか分からなくなる。
いつも子供みたいにくだらない事言ってはしゃいでばかりいるくせに、
いきなり真剣な顔見せられても困るじゃん…

SD「特別にしてよ…」

「え?」

SD「僕をAの特別にしてよ」

「……そ、そんな事…言われても…」

戸惑う私に、迫るサンドゥル

SD「このポッキー何本あげたら、
　僕をAの特別にしてくれる?」

真面目な顔してそう聞いてくるサンドゥルは、もうすでに私の特別なのかもしれない…

―ＥＮＤ―

　