嘘つきな君へ 8 ページ18
話しを全て聞いた後、色んな想いが駆け巡る中
僕は看護婦さんと別れてある病室へと向かった…
“トントン”
ドアをノックをしても返事はなく、
しばらく待った後恐る恐るドアを開けてゆっくりと中を覗いた僕
SD「……」
窓際にあるベッドには横になってるAちゃんが居て、
まだ僕の存在には気づいていないらしく窓の外を眺めてる
SD「…A…ちゃん…?」
まだ半信半疑な僕がそう声をかけながら近づくと、ゆっくりと振り向いたAちゃん
「……」
突然だったはずなのに特別僕の姿に驚く様子はなく、その姿に僕の方が驚いて立ち止まった。
そして目が合ったまましばらくの沈黙が過ぎた後、君はこう言った…
「あーぁ…バレちゃったか…」
弱弱しく笑うその姿に胸がギュッと苦しくなって、涙が溢れ出しそうになった僕
SD「Aちゃん…」
前に屋上で見た時の笑顔とは全然違う…
弱りきった君の姿を見て僕はなんだか悲しくなった
SD「…なんで……」
「……」
SD「なんで…僕に何も…
言ってくれなかったんだよ…」
Aちゃんに会ったら話したい事がたくさんあった。
会えなかった間中あれを話そうこれも話そうって、
覚えきれないくらいいっぱい話したい事があったはずなのに…
こんな事が言いたかったわけじゃないのに…
なのに今は…この言葉しか出てこない…
SD「なんでっ…」
悔しくて悲しくて、泣きそうな僕の言葉を聞いてAちゃんは悲しそうに笑った
「…そういう顔……するから……」
SD「……」
「サンドゥルには…笑ってて欲しかったから」
SD「…っ…」
「泣いたらブサイクになっちゃうよ」なんて、君はこんな時にまで僕をからかおうとする
SD「なに言ってんだよ…
僕はいつだってイケメンの
皆のオッパなんだからなっ」
「フフッ」
SD「あっ、笑うなよ!!本当なんだから!!」
僕は今にも溢れて止まらなくなりそうな涙を必死に堪えて笑った。
Aちゃんにも、笑顔で居てほしかったから…
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月14日 12時
