彼は私の… CN ver.1 ページ1
友達はいつも、私にこう言う…
『あんなに優しいシヌ君といつも一緒に居れて羨ましいなぁ』…って。
その度に私はこう答えるんだ、
『優しすぎるのもどうかと思うけど…』って。
誰にでも優しいシヌが私に優しいのは当たり前、
だけどそれは私達が付き合ってるからって訳じゃない。
いつも一緒にいるけど家族じゃない、だからって友達でもない…
彼は私の……幼馴染だから。
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「シヌー、まだ?早くしてよー」
CN「あぁ、すぐ行く」
授業も終わって下駄箱で上靴を履き替えてるシヌを壁にもたれながら待っている私、
“早く帰ろう”と急かす私がいつも皆に忙しない奴だと思われるのは、
きっと隣でのんびりしてるシヌのせいだと思う
CN「ごめん、お待たせ。帰ろうか」
「うん」
私達がこうやって毎日一緒に帰るのは別に特別な事じゃない。
親同士が仲良くて、家が隣りで、生まれた年まで同じだった私達は
こうやって一緒に居るのが当たり前なだけ…
「……ねぇ、何それ」
靴に履き替え私の元にやって来たシヌは何やら手に可愛い紙袋を持っていて、
それは何だと私が指を指すと「え?」と動きを止め私の指の先を目で追ったシヌ
CN「あぁ…これ?
これはさっき隣のクラスの子がくれたんだ」
「…ふーん」
中身はまだ見ていないと言うシヌに私が中身を確認しようと袋を覗いていると、
“「シヌ先輩っ!!」”とどこからかシヌを呼ぶ声がして
私達が振り向いた先には顔を真っ赤にしてこちらを見ながら立って居る可愛い後輩が居た
後輩「あ、あのっ、シヌ先輩!!」
CN「ん?」
後輩「あの…こ、これ…
シヌ先輩の為に作ったんです!!」
そう言って差し出された手には、綺麗な袋に入れてラッピングされた手作りのクッキーが…
後輩「迷惑じゃなければ…
食べてもらえませんか?」
CN「あー…ありがと。
美味しそうだね、後で食べるよ」
一瞬戸惑いながらも笑顔でシヌが袋を受け取ったのが余程嬉しかったのか、
飛び跳ねる様に喜びながら帰って行った女の子を見て私はため息をついた
「はぁ……またそうやって…」
…シヌはいつもこうだ。
優しいから差し出されたものを断る事が出来なくて、
その上、笑顔で優しい言葉までかけちゃうから益々厄介なんだ…
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月14日 12時
