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今思えば、僕は自分が嫌いなのかもしれない。当たり前だ。大切で、愛おしい彼女に何一つしてやれない。彼女の苦しみも痛みも理解できない。彼女は僕にいろいろなものをくれたのに、僕はそれに答えられない。今は、彼女がもう一度目を覚ますことをこうして祈ることしかできない。僕は、本当に無力なのだ。
その現実は、壊れかけていた僕の心にさらに圧力をかけた。苦しい、苦しい、悲しい、憎たらしい。様々な不の感情が一気に僕にのしかかる。
ひとみから大粒の涙がぼろぼろと溢れた。彼女の手を強く握り締め、その場に崩れ落ちる。いつもこの手は僕の頬を撫でてくれた、僕の手を握ってくれた、握り締めてくれたんだ。それが今は動かなくてひどく冷たくて、あらためてそれを理解すると言い表せない恐怖が僕を飲み込んでいく。
この世界が憎かった、この世界の何もかもが嫌いだった。僕を見捨てたことじゃない。優しい君を見捨てたこと、誰も彼女に手を差し伸べないこと。昔から分かっていたことなのに、あらためて彼女に牙をむくその世界が僕は許せなかった。
彼女に世界を見せてあげてください。あの足で再び歩けるようにしてあげてください。僕じゃない誰かが、隣で幸せにしてあげてください。僕じゃ、できることが限られいるから。彼女の苦しみも、世界の誰も彼も恨んだその罪も背負うから。
そのとき、僕は生きていてはじめていないと思っていた神にすがった。けれど、そんなきれいな存在はこの世界にはいないことを僕だってよく理解していたから、その想いは尚更僕の心を痛めつけたのだ。
僕は、その日彼女の部屋で一人大きな声で泣いた。その泣き声は叫び声に近かったと思う。
僕と彼女以外この部屋には誰もいない、訪れてくれさえしない。そして僕は誰も僕たちを救ってくれないことをあらためて思い知らされた。
――残り一日。
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自由気ままに生きる難聴の音霧想(プロフ) - 少女Ｒさん» コメントありがとうございます！ 時間をもう少しかけて仕上げたかったなぁ……と今更ながら思います。そう思っていただけたなら大変光栄です。 (2017年5月14日 13時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
少女Ｒ(プロフ) - 完結おめでとうございます。凄く面白かったです！少ない話数なのにとても感動しました！ (2017年5月14日 9時) (レス) id: ff2027e67d (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - うさぎ@りんご飴さん» わぁ……改行少ない小説苦手だというのに目を通していただきありがとうございます。いえいえ、感想いただけただけで満足です。本当にありがとうございました。 (2017年1月8日 14時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ@りんご飴(プロフ) - 音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）さん» いえ、あれは個人的な意見ですのでお気になさらず！ 私は改行が少ない作品が苦手なのですが、全く気にならずに読む事が出来ました。その点を強調して書きたかったのですが、上手く伝えられず申し訳ありません(汗) お忙しい中、わざわざ返信頂きありがとうございます！ (2017年1月8日 14時) (レス) id: 358807b83b (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - うさぎ@りんご飴さん» 評価ありがとうございました。私は改行が多い作品は横読みでも縦読みでも苦手なんです。内容が薄くなってしまう気がするんですね。なので改行に関してはこのままでいかしてもらいます。ほかの点は褒めていただき光栄でした。ありがとうございます。 (2017年1月8日 14時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
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