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このことを考えるのははじめてではない。過去に幾度もその疑問を自らに投げかけた。けれど結果とか答えなんていうものは出るはずもなく、僕はそのたびに泣きそうになる。僕たちの関係は名前もない、その程度の存在なのかと。そう考えるたびに、ナイフがふさがった心の傷をなんどもなんどもえぐり、苦しくて、憎たらしくて、切なくて……そんな言葉で簡潔に説明できない感情に囚われた。
なんで、世界が終わるというのにまた僕はまた同じ場所の傷をえぐっているのだろうか。せめて、残り少ないうちは綺麗にいい思い出だけで終わりたかったというのに。神様というものはそんな僕の小さな願いさえかなえてくれないらしい。僕は、恐らく前世に何かしたのか。ひどく運とやらには見捨てられている気がした。
僕には親というものがいない。幼いころからその親と何かした記憶なんていうものは微塵もなく、ここに来る前から一人ぼっちだったことは覚えてる。当然、そんなんじゃここに来た理由なんてものは知るはずもなく、ここでも一人で生きてそのうちのたれ死ぬのだろうと勝手に一人思っていた。
『一人なの？』
幾数年まともに人と会話を交わさなかった僕は、最初それが自分に投げかけられた言葉だとは気付かなかった。だからあの声が僕に投げかけられたと知ったときはひどく驚いたものだ。
あのときの彼女はまだ杖をつきながら自分の脚で歩くことができていた。白い服と劣らない白い素足は、ひどくもろそうに見えたのは今でもよく覚えている。それでも、今と変わらない無邪気な笑みは僕の心を包んだ。
僕はそんな彼女の姿と投げかけられた言葉に動揺して、何も返せずうつむく。人と会話すること、誰かと接することその方法をそのときはすっかり忘れていたのだ。彼女は僕の隣に腰を下ろすと、お話しようと手を合わせる。人と会話できるほど僕は器用じゃないよ、内心そう呟いたけど彼女には当然届くはずはなかった。けれど、彼女は僕が話すことを拒絶していることに気付いたのか、いろんな物語を話してくれた。
幼いころ読んだ童話の話、ラジオで朗読されていた小説の話。そんな彼女の声や発する美しい言葉、物語は僕を魅了していった。いつからか、僕はそんな彼女の隣にいることがいつからか好きになっていたのだ。そしてそこから彼女の隣が僕の唯一の居場所だと思ったのかもしれない。
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自由気ままに生きる難聴の音霧想(プロフ) - 少女Ｒさん» コメントありがとうございます！ 時間をもう少しかけて仕上げたかったなぁ……と今更ながら思います。そう思っていただけたなら大変光栄です。 (2017年5月14日 13時) (
レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
少女Ｒ(プロフ) - 完結おめでとうございます。凄く面白かったです！少ない話数なのにとても感動しました！ (2017年5月14日 9時) (レス) id: ff2027e67d (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - うさぎ@りんご飴さん» わぁ……改行少ない小説苦手だというのに目を通していただきありがとうございます。いえいえ、感想いただけただけで満足です。本当にありがとうございました。 (2017年1月8日 14時) (レス) id: 6c125bcd13 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ@りんご飴(プロフ) - 音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）さん» いえ、あれは個人的な意見ですのでお気になさらず！ 私は改行が少ない作品が苦手なのですが、全く気にならずに読む事が出来ました。その点を強調して書きたかったのですが、上手く伝えられず申し訳ありません(汗) お忙しい中、わざわざ返信頂きありがとうございます！ (2017年1月8日 14時) (レス) id: 358807b83b (このIDを非表示/違反報告)
音霧想@悪魔崇拝してる人（会話はできます）(プロフ) - うさぎ@りんご飴さん» 評価ありがとうございました。私は改行が多い作品は横読みでも縦読みでも苦手なんです。内容が薄くなってしまう気がするんですね。なので改行に関してはこのままでいかしてもらいます。ほかの点は褒めていただき光栄でした。ありがとうございます。 (2017年1月8日 14時) (レス) id: 7d8ba4b3f5 (このIDを非表示/違反報告)
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