【オリジナル】男装女子のアイドル活動 4

183 お祝いしよう ページ33

着実に、
私達には"本当のファン"が出来ている。

それは、
ファンレターやライブでの皆さんを見れば
分かることで。

ーーあぁ、
私たちのこと本当に応援してくれてるんだ、
って思う。

心からの応援だと、私達も凄くしみるわけで。

ふと麗ちゃんの横顔を覗き込んだ。



「どうしたの？ 麗ちゃん。
ニット帽ずれてるよ？」



そっと彼の帽子に手を伸ばすと、



「ちょっ！ わざとなの！ファッション！」



そう言って抵抗された。

私が、深く被りすぎているニット帽を
直そうとしたのだが、むしろ麗ちゃんは
強く抑えてもっと深く被った。

いや、どう見てもファッション的にはダサいんだけど……。

私にはチラッと見えてしまった。
目を少しうるませていた麗ちゃんが。

それはきっと、嬉しさゆえのもので。
私は気づかぬふりして小さく笑った。

そんな様子に、
柊太とカケルンも優しく微笑んだ。



「……頑張らないとね」



アイドルは、夢や希望を与える存在であり、
貰える存在でもある。
そう、私はしみじみ感じた。



「さ！ 準備できたで！」

「たくさんジュースも食べ物も
買ってきたから」

「ぱぁーっとやるんでしょ？」



なんか忙しなく動いてると思ったら、
テーブルには豪華な料理が並んでいた。
瑠理香ちゃんたちが用意してくれたのだ。

……これは楽しくなりそうだ！



「「いただきまーす‼︎」」



そう言って、
育ち盛りの私達は料理に飛びついた。

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