154 僕も ページ4
そんな会話を目の当たりにした麗ちゃんは、
ついに部屋から出てきた。
その顔は、明らかに怒っていて。
私の体にも、思わず力が入った。
のもつかのま。
「まぁ、柊太いるし大丈夫かな」
その言葉とともに、彼の顔つきもまた、
力が抜けたようにすうっと緩んだ。
そんなことを知る由もなく、
麗ちゃんの呟きに、柊太が冷静に問うた。
「何が？」
「いや、こっちの話！！」
麗ちゃんは突然の問いにあたふたとしながら、
手をブンブンと左右に振り、
私達は完全にはぐらかされてしまった。
「ごほんっ、用件は？」
わざとらしい咳払いなんか忘れるような、
そんな質問に私と柊太はハッとして、
顔を見合わせた。
いっつも本題を忘れてしまう。
あー、そろそろ治さないとな……。
「えっとね。俺達、2週間後に用事があって、それで、3日間くらい事務所をあけるんだ」
「へぇー」
一瞬、驚いたように大きく目があいたのを、
私は見逃さなかった。
「マネージャーさんに早めに伝えといて、って言われたから、今伝えましたっ。寂しいかもしれないけど、よろしくねっ？」
私はわざと憎たらしい声に変え、
両手を合わせた。
麗ちゃん、なんだかんだいって私達のこと
大好きだからさ、きっと、内心寂しがって私にすがりついて……。
「柊太。ところでどこ行くの？」
スルー。
安定のスルーに真顔のダブルコンボっ……！
私は300ダメージくらった。
そんな間にも、話は進んでいて。
「えっと……施設。
俺が幼いころお世話になった施設だよ」
「そうなんだ」
麗ちゃんは驚きを隠しながら、
俯いてしまった。
多分、麗ちゃんが想像してたのと
違ったんだろうな。
または、申し訳ないなって思ってるのかな。
私に真相はわからないけれど。
私は柊太とバトンタッチして、
麗ちゃんに話しかけた。
「だから、しばらく留守にするね」
「あのさ」
「ん？」
俯いたまま呼び止められ、
私は麗ちゃんに耳を傾けた。
「僕も行っていい、かな……」
彼からの言葉が出てきたのは、
しばらく間があいてからだった。
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流華 - ネクロさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます！！今思うと無理矢理な展開とか多いですけどそう言ってもらえて嬉しいです涙 機会があったらまた何か書きますね！ (2021年6月27日 20時) (
レス) id: c141522df8 (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ - お話最後まで読ませていただきました！皆のツッコミとかちょっとしたラブラブを見てて発狂してますｗ流華さん素晴らしいお話作ってくれて有難うございます！そしてこれからも頑張ってください！ (2021年1月2日 23時) (レス) id: acc1702ca8 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - アケチさん» わぁーありがとうございます！！更新遅いと思いますが、頑張ります！ (2016年4月4日 8時) (レス) id: c04b941378 (このIDを非表示/違反報告)
アケチ(プロフ) - お話読ませていただきましたー！すっごい面白いです！読んでいて楽しいです！これからも更新頑張って下さい！！ (2016年4月3日 19時) (レス) id: a044007e0c (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - レイン・ボーさん» 評価、コメント、応援の言葉、本当にありがとうございます！頑張ります！！ (2015年7月7日 18時) (レス) id: c04b941378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2015年7月4日 10時
