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172 君を連れ出すのさ ページ22

こうして、お互いの出来事を話し始めて数十分後。


「カケルン、お話ありがと」

「うん! また話そうね〜」


そう言って、私達は別れを告げた。

お互いに、いろいろな話聞けたり話せたりして、楽しかったなぁ。なにより、結婚式!
私も行って見たいなぁ。

私は自分の部屋に帰る途中、
ふと立ち止まった。

……にしても、さっきの音なんだったんだろ。ちょっと確認してこようかな。

そう思い、音の発生源である廊下の曲がり角へと向かった。

すると。


「あ、柊太」


ビクッと体を震わせたのは、まさかの柊太で。目がバッチリ合っている。彼はなんだか驚いた顔をしていて。


「こんなとこで何して……っ」


ーーガシッ。


「え?」


えぇぇへへへへへ?!

なんということでしょう。
途端に私の腕を掴み、
柊太は足早に歩き出したではありませんか。

そして、私の心の中では
驚きの声と笑い声が混ざって、
なんとも聞き難いメロディを奏でている。


「いや、ちょ、どうしたの?」

「…………」


え、無視?

会話を交わすこともなく辿り着いたのは、
私達の部屋で。

ーーガチャ、バタン。


「うぉっ」


柊太は扉を勢い良く開け、中へと入ると、
私の背中で扉を押すようにして閉めた。

Oh, "KABE DON."
あ、違う "DOA DON."

依然ポカンとアホヅラを晒す私に、
柊太は真剣そのものの声調で囁いた。


「俺達が恋人同士ってこと、自覚してる?」


ドクン、と大きく波打つ鼓動。


「え、えっ? もちろんしてるよ?!」


なんでそんな当たり前のことを聞くのさ!

私が返答するものの、
柊太はジトッとした目でこちらを見ていて。

な、なんだその”本当か?”
みたいな疑う目は。

てか、近い。近すぎやしませんかね?!

私は内心ドキドキしながら、
柊太を見上げていると、
彼は少し呆れた様子で歩き出した。

な、なんだろうこの空気。

私は突然の出来事に未だ動揺しつつ、
目で追うと、彼はソファへともたれかかり、
頭を抱えながら呟いた。


「お前、男にむやみに近づき過ぎ」

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流華 - ネクロさん» 最後まで読んでくださってありがとうございます!!今思うと無理矢理な展開とか多いですけどそう言ってもらえて嬉しいです涙 機会があったらまた何か書きますね! (2021年6月27日 20時) (レス) id: c141522df8 (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ - お話最後まで読ませていただきました!皆のツッコミとかちょっとしたラブラブを見てて発狂してますw流華さん素晴らしいお話作ってくれて有難うございます!そしてこれからも頑張ってください! (2021年1月2日 23時) (レス) id: acc1702ca8 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - アケチさん» わぁーありがとうございます!!更新遅いと思いますが、頑張ります! (2016年4月4日 8時) (レス) id: c04b941378 (このIDを非表示/違反報告)
アケチ(プロフ) - お話読ませていただきましたー!すっごい面白いです!読んでいて楽しいです!これからも更新頑張って下さい!! (2016年4月3日 19時) (レス) id: a044007e0c (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - レイン・ボーさん» 評価、コメント、応援の言葉、本当にありがとうございます!頑張ります!! (2015年7月7日 18時) (レス) id: c04b941378 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2015年7月4日 10時

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