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よーいドン、で
ピストルが鳴って
第一走者が走り始めるのを
菊ちゃんと廉くんと3人で声をあげながら応援する
廉「岩本さんめっちゃ速いやん！」
体育委員長の岩本さんが1位でバトンを渡してから
白組が優勢のままあっという間にアンカーの元へバトンが渡る
赤いハチマキを巻いたセンパイは
3番目にバトンを受け取って、
ぐん、って
息を吸うように大きな一歩を踏み出して走り始める
ぐんぐん
ぐんぐん、走るセンパイ
風をきって
きって
力強く、でも優雅に走っている
菊乃「平野先輩めっちゃ速い！」
廉「平野先輩？」
菊乃「知らない？この学校で1番人気の」
体育着から伸びる筋肉質な足で
センパイが地面を力強く蹴るたび、
周りの音が全て消えたみたいに
なにも聞こえなくなる
センパイ、走るのこんなに速いんだ…
菊乃「Aは知ってるよね？平野先輩」
「・・・へ？」
菊乃「海ちゃん以外眼中にないか(笑)」
「そ、そんなことないけどっ//」
わたしの知ってるセンパイは
いつもどこか気だるげで、
ゆるーっとした話し方で
意外と甘いものがスキ
わたしの知らないセンパイは
ぐんぐんと風をきって
前を走ってた人を追い抜かして
あっというまに2番目まで上がってきた
廉「やばい、白組やばいんちゃう？！」
菊乃「逃げきれーっ！」
ラストスパート目前で
一段と声援が増えて
1位で逃げ切ろうとする白組と
その後ろまで迫ってきた赤組のセンパイ
センパイが一歩足を前へ出すたびに
距離がぐん、と縮まって
テープ目前のところで白組の人を追い越して
…ついに1位でフィニッシュした
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年6月23日 0時
