◇・*。放課後のシンデレラ２。*・◇ (ページ9)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:27,577 hit

57 ページ9

・

体育祭最後の種目、そしてみんなお待ちかねの3年生リレー

始まる前にお手洗いに行ってから校庭へ戻る

保健テントのスペースの前を通ると

菊ちゃんと廉くんが並んで座っていた

わたしがこっそり推している2人

菊ちゃんは今日もシュシュをつけている

菊乃「あ、A！」

わたしに気づいた菊ちゃんが

おいでおいでって手招きしてくれる

廉「海人は？」

「クラスの男の子たちと一緒だよ」

菊ちゃんが隣の椅子を引いて

ここ座りなよ、って言ってくれる

菊乃「ここリレー見るのに特等席だよ」

「いいの？わたし体育委員でも保健委員でもないけど…」

菊乃「平気平気、あたしたちがここのテントの片付け担当だし」

ね、って廉くんを見た菊ちゃんのポニーテールが揺れて

うん、って廉くんが頷く

廉「その代わりAも片付け手伝ってな」

「うんっ」

菊乃「それに保健委員長は深澤さんだから、怒れられないはず(笑)」

廉「キャプテン菊乃のこと何かと甘やかすもんな～」

菊乃「なに甘やかすって(笑)全然そんなことないでしょ」

廉「あんたはサッカー部ちゃうから優しくされてるだけやで」

菊ちゃんと廉くんの

ぽんぽん弾むやりとりを横目に

わたしお邪魔じゃないかな？って席を立とうとした瞬間

スピーカーから大音量で音楽が流れ始めて

いよいよ3年生のリレーがはじまるアナウンスが入った

3年生が登場して校庭が一気に盛り上がる

菊乃「あ、岩本さんだ！」

廉「あの人ほんますごいな」

顔なじみのない3年生が

ハチマキをしめなおしたり、スタートダッシュの準備をしている中、

「…あ」

・・・いた

赤いハチマキを巻いた、平野センパイが

真剣な眼差しで準備をしている姿が目に入って

気が抜けたように椅子に座りなおした

組は違うけど応援してね、って笑ってた

センパイのポジションは、アンカー

・