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◇菊乃Side◇
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体育祭本番は
予想はしていたけど、やっぱりずっとバタバタしていて
他の学年の競技もちゃんと見れないし
写真撮ろうねって約束してたAとの写真もまだ撮れてないまま
あっという間に最後の競技の時間
どれだけバタバタしてても、
あたしの気分がウキウキなのは
委員長としてクラスのみんなをまとめたり、きちんと仕切ったり
しっかりした廉の一面を見て
…さらに好きが増したから
ケガとか熱中症になった人用の保健テントは
幸い、誰もいなくて
椅子に座ってほっと一息ついた
少し先には吉田先生が白衣姿で座っている
栗色のボブをくるんと内巻きにして
グロスがたっぷり塗られたぷるぷるの唇
長いまつ毛をぱちぱちさせて
校庭を見ている姿はたしかにカワイイ
廉とか深澤さんとか、男子はみんな好きみたいだけど
なんか小悪魔っぽい感じであたしはあんまり好みじゃないなぁ…
・・・なんて、ただの嫉妬か
廉「おっつぅー」
あたしが座ってた椅子の背もたれを
ぽん、ってして登場した廉
そういうちょっとした仕草も
廉にされるとキュンとする
廉「いやー疲れたなぁ〜」
そう言いながら
あたしの横の椅子に深く座って両足を思いきり広げた
菊乃「ちょっと(笑)」
廉の足が当たって
ドキッとするのを隠すためにとっさに出た言葉が
素直じゃなくて自分でも嫌になる
深澤さんに頑張るって宣言したけど…
どう頑張ればいいんだろう
廉「リレー楽しみやな」
菊乃「ね、目玉だよね」
2人きりの空間
家に帰ってから
きっと今の瞬間のことを
何度も何度も思い出す
こういう会話したなぁとか
こういう表情してたなぁとか
繰り返し、思い出しては恋が膨らんでいく
菊乃「あの、さ…」
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年6月23日 0時
