◇・*。放課後のシンデレラ２。*・◇ (ページ30)

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◇菊乃Side◇

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小さくなっていく廉の背中が

見えなくなった頃

ぶわ、っと涙が溢れて

立ちすくんだまま

こぼれてくる涙を

浴衣の裾で何度も何度もぬぐった

涙で濡れた頬にあたる夜風が

ひんやりと冷たい

こんなところで泣いちゃだめだって

ぎゅって口をかたく結んで

上を見上げたら、

綺麗な満月が

群青色の空にぽっかりと浮かんでいた

…泣くのは帰ってからにしよう

駅に向かって歩き始めると

ラインの通知音がする

・・・もしかして廉かな

なんて、すぐに思ってしまうのは

まだまだこの失恋を受け入れられていない証拠

心が震えるようなあたしの恋は

一夜にして、花火みたいに燃え尽きてしまったというのに・・・

携帯を開くと

『深澤辰哉』の文字

メッセージは

【大丈夫？】

なんてタイミング・・・

【やっぱりあたしのことは眼中にないみたいです・・・】

この恋はもう、実りそうにない

でも、

廉への片思いが終わってしまっただなんて

なんだかまだ、信じられない

携帯をカバンにしまおうとすると

ブルブルと震えて、着信が入った

・・・相手は、深澤さん

菊乃「…もしもし、」

深澤さんから電話なんてくるのは初めてで

少し、緊張して電話に出た

深澤「泣いてる？」

菊乃「泣いてないです…」

平気なフリをしたのに

鼻をすする音と、涙ぐんだ声で

泣いてたことがバレバレだ・・・

恥ずかしい

深澤「どこにいる？いま」

菊乃「神社出て、駅行く途中の道の商店街です…」

深澤「分かった、すぐ行くから」

菊乃「え、…」

深澤「そこで待ってて」

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