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◇菊乃Side◇
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廉が振り返って
ちゃんと、目が合う
浴衣姿の廉はいつにも増してかっこいいし
背も高くてドキドキする
廉「ええで」
今日の廉がいつもの廉らしくない理由は
結局分からないけど
これが2人きりになれる最後のチャンスかもしれない
あそこ、って少し先にある金魚すくいの屋台を指差すと
どっと人混みが押し寄せてきて
右肩が誰かにぶつかった
菊乃「…あっ」
深澤さんに買ってもらったりんご飴を
落としてしまった
まだ半分くらい残ってるのに…
ショックな気持ちを抱えて
砂利まみれになっちゃったりんご飴を拾って
近くにあったゴミ箱に捨てる
廉「そんなに好きなん？」
菊乃「だってもったいないじゃん、最後まで食べきれなかったのに捨てちゃうの」
廉「…じゃなくて、ふっかさんのこと」
…ん？まって
なにそれ
廉「好きなん？」
菊乃「・・・そんなわけないじゃん」
せっかく2人でいるのに
またそうやって、
あたしのことを誰かとくっつけようとするのやめてよ・・・
菊乃「…廉はなんも分かってない」
廉「なんでそんなムキになんねん」
菊乃「なってない」
廉「…好きやん、そんなん」
菊乃「ちがう、深澤さんは優しいだけ」
廉「興味ない子に、そんなに優しくするわけないやん」
違うよ、
廉が
廉があたしに
意地悪すぎるだけ
あたしの気も知らないで
いつもいつもそうやって
廉「ふっかさん、好きな人おる言うてたし」
あたしの気持ちなんて全然知らないくせに
深澤さんに色々相談してるのは、
廉のことなのに・・・
嘘でもいいからちょっとくらいデートしてる気持ちにさせてよ、
・・・廉のバカ…
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年6月23日 0時
