◇・*。放課後のシンデレラ２。*・◇ (ページ27)

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◇菊乃Side◇

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廉と2人きりになったはいいけど

夏祭り、

しかも浴衣でって

…ほんとのデートみたいで緊張する

廉「まわる言うても結構見たもんな、すでに」

いつもよりも小さい廉の声は

直接耳に響いてくる感じがして、ドキドキする

腕を組んだまま境内の階段をおりはじめた廉のうしろに

とりあえずついて行った

菊乃「そうだね、お腹も結構いっぱいかも」

廉「りんご飴大きいもんな、食べきれんやろ」

菊乃「ううん、これは食べる」

さっき、片思い頑張れるか分かんないですって言ったあと

『できるよ、俺がついてるもん』

って言ってくれた深澤さんの言葉を思い出す

廉「…とりあえず歩くか」

菊乃「うん…」

毎秒毎秒、

廉と2人きりなんだってことを意識しちゃって

とにかく緊張する

一歩ずつ歩く下駄の音が

廉の分と、あたしの分、鳴り響いた

菊乃「今日お祭りくる前は、なにしてたの？」

廉「弟とゲームしとった」

菊乃「そっか…」

廉「…うん」

今日の廉は

時々しか目を合わせてくれない

少しは縮まったと思っていた距離

それなのに、苦しい

・・・廉ってこんなに遠くにいたっけ

菊乃「・・・あのさ、廉」

あたしの声は

夏祭りの喧騒にかき消されてしまって、

廉の耳元に届かない

菊乃「・・・ねぇ」

廉の浴衣の裾をつかむ

傷つかないようにして

諦めようか

打ち明けても隠しても

辛いのが同じなら

菊乃「…金魚すくい、しない？」

今は、

小さなことで

幸せを、噛みしめさせて…

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