◇・*。放課後のシンデレラ２。*・◇ (ページ21)

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深澤キャプテンと岸さんにバイバイしてから

菊ちゃんとわたしでお手洗いに行く

「えぇー、すっごく混んでるね」

海人くんと廉くんは神社の境内で待ってくれてる

菊乃「ね…」

後れ毛を整えながら俯いた菊ちゃんは

元気がなさそう

「菊ちゃん、大丈夫？」

菊乃「んー…」

「廉くん、ちょっと元気なさそうだよね」

菊乃「やっぱりそうだよね？様子が変っていうか、ぶっきらぼうっていうか…」

「人混みが苦手とかなのかなぁ…」

菊ちゃん、今日のお祭りでいい感じになれるように頑張るって言ってたけど

すごく落ち込んじゃってる

菊乃「…ほんとに難しいわ恋愛は(笑)」

ふぅ、ってため息をつく菊ちゃんの

長いまつ毛が揺れ動く

菊ちゃんの恋、

うまくいくといいのになぁ…

菊乃「ごめんね、お待たせしちゃうかもだけどお手洗い行ってくるね」

「ううん、ここ混んでるからあっちの木の下で待ってるね」

少し先にある大きな木の方まで歩くけど

人が多すぎて、ぶつからないようにしながら歩く

すっかり日も暮れて

カップルとか男女のグループとかが徐々に増えてきて、本格的に混み始めてきた

歩きながら

左足に違和感を感じて、下を向くと

下駄の鼻緒がゆるんでいることに気づく

こんな人混みの中、ちぎれちゃったりしたら困っちゃう

ちょっと調整しよっかなと思って

しゃがもうと少し前かがみになった

その瞬間、ドン、って目の前に人がぶつかってきて

「うわっ…」

よろけるのを堪えたと同時に、

左足の下駄がポーンって

すっ飛んでいってしまった

「すみませんっ…」

振り返ってぶつかっちゃった人に謝るけど

ぶつかった人はわたしに気づいてもいない

？「ウブちゃん…？」

人混みの中、

突然後ろから聞こえてきたハスキーな声

振り返ると

なぜかそこには

浴衣姿の平野センパイが立っていた

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