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◇菊乃Side◇
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ラムネを飲みながら
4人でお祭りを回っていると
？「おーい廉！」
遠くから声が聞こえてきて
みんなでそっちに振り向く
岸「やっぱ廉じゃん！」
廉「・・・きっさん！」
サッカー部の岸さんが現れて
廉の表情が、一瞬で喜びへと変わる
いつも通りの廉
岸「ダブルデートっすか！」
サッカー部で来てるのかな
もう少し遠くの方で目黒さんとか
数人の男女の先輩が岸さんのことを待っている
岸「お前顔真っ赤じゃん！(笑)」
廉「違いますって！」
2人がぎゃあぎゃあと小競り合いを始めると
少し非日常的だった夏祭りが、いつもの光景に様変わりする
今日の廉はなんかいつもと違うって思ってたのは
岸さんの登場によってやっぱり、間違ってなかったんだっていう確証にもなって
胸が苦しい
深澤「お前らうるさいなぁ(笑)」
岸さんの後ろからひょっこりと現れたのは
深澤さんだった
「キャプテン！こんばんは」
深澤「おーAちゃん」
こんにちは、って海ちゃんにも会釈をした深澤さんが
あたしを見てにっこりしてくれる
深澤「浴衣、似合ってるね」
・・・廉に言ってほしかったのに、言ってもらえなかった言葉を
深澤さんはさらりと口にした
菊乃「ありがとうございます…」
嬉しい思いと、沈んだ気持ちが入り乱れる
深澤「美人さんにはこれあげる」
すぐ目の前の屋台で買ったりんごあめを
はい、って渡してくれる深澤さん
声のトーンが静かで優しい
菊乃「…いいんですか？」
深澤「もちろん」
菊乃「うれしい・・・」
糸がピーンと張ったように緊張したあたしの心が
あたたかく溶けていくのが分かる
深澤「どう？頑張れそう？片思い」
菊乃「・・・もうわかんないです…」
…きっと相手が廉だってこと、深澤さんにはお見通しなんだろうな
ひとくちかじったりんごあめの味は
酸っぱくて、ほんのり甘かった
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年6月23日 0時
