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どうしよう、
センパイに変な子って思われたよね・・・
帰るフリをして下駄箱の裏に隠れて、
紺色の大きな傘を差して
学校を出て行くセンパイの背中を確認してから
元いた海人くんとの待ち合わせ場所に小走りで戻る
カバンを肩にかけてる方の手で傘を差し、
もう片方の手はズボンのポケットにつっこんで
スタスタと歩くセンパイ
吉田先生とのキスを目撃してしまってから
時間が経っているというのに
ハッキリと、情景を思い出す
センパイは先生の顔を大切に包み込むように両手を添えて
先生の腕はセンパイの首に巻きつけられていた
電気は消えていたけれど
はっきりと目が合ったし
センパイ、絶対怒ってるよね…
「はぁー…」
また、憂鬱になる理由が1つ増えて、ため息をつく
海人「Aちゃんっ、お待たせ」
甘い甘い声がして
海人くんだ、ってわかっただけで幸せな気持ちになる
海人「雨きらいなの？」
「うん…どうしてわかるの？」
海人「最近よくため息ついてるなーと思って(笑)」
「えっ、ごめんんん」
海人「んーん、帰ろっか」
海人くんが傘をパッと開いて
ひまわりが咲く
海人「梅雨が終わったら、夏祭りとか夏休みとか、たのしいイベントがたくさんだね」
にっこりそう言ってわたしを見る海人くんは
雨が苦手なわたしに明るい話題をふってくれて、優しい
「うんっ、楽しみ！菊ちゃんと浴衣買いに行くんだ〜」
海人「Aちゃん浴衣着るの？それは楽しみだぁ」
海人くんのとろけるような声に
心がときめく
「あとね、バイトもはじめてみよっかなーって思ってるんだ」
海人「いいねいいね」
「カフェでバイトするの、憧れてたからやってみたいなって思って」
海人「夏も一緒にたくさん思い出作ろうね」
「うんっ」
雨の中の下校も、海人くんと一緒なら
心にひまわりが咲いたみたいに明るい気持ちでいっぱいになった
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年6月23日 0時
