◇・*。放課後のシンデレラ２。*・◇ (ページ11)

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リレーが終わって

菊ちゃんと廉くんが手際よく片付けをはじめる

「わたし、何手伝えばいい？」

菊乃「大丈夫だよ(笑)そろそろ深澤さんとかも戻ってくると思うし…」

救急箱を右手に、椅子を左手に持った菊ちゃんが

きょろきょろと辺りを見回す

菊乃「あれ、吉田先生いなくなっちゃった…さっきまでいたのになー」

廉「ほんまや、どこ行ったんやろ」

廉くんが明らかに唇をとがらせてシュンとする

廉「・・・今日こそ話そうと思ったのにぃ～…」

菊乃「A、やっぱりこの救急箱、保健室に持って行ってもらえない？戻さなきゃいけないやつだから」

「わかった、それだけでいいの？」

菊乃「うん、ありがとうね」

菊ちゃんから受け取った救急箱を持って校内に戻る

体育祭が終わってゾロゾロと教室に戻っていく生徒たちの中に

海人くんいないかなぁって探すけど、見つからない

仕方なくひるがえして

教室に上がっていく階段とは逆の方向にある保健室に向かった

保健室側はいつもシンとしていて

廊下は暗くて、ひんやりしている

保健室も電気はついていない

吉田先生はまだ校庭のどこかにいるのかも、と思いながら

保健室の扉をゆっくりと開けた

　

一歩中に入ると、

　

床に赤いハチマキが落ちてて

　

保健室の中を覗いた瞬間、

　

ひゅるん、って心臓が震え上がって

鼓動が早まった

　

だって

椅子に座る吉田先生におおいかぶさるようにして

・・・くちびるを重ねていたのは

　

…さっきまでリレーを走っていた、

　
平野センパイだったから

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