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2人3脚が終わる
玉入れは午後だけど
そろそろ校庭に戻らないと
手に持ったミルクティーもいつの間にか、からっぽになってた
「センパイ、わたしそろそろ…」
紫耀「戻る？」
「はい、ミルクティーごちそうさまでした」
紫耀「俺はリレー出るからもうちょっと体力温存してく(笑)」
そう言いながらもセンパイは外階段を
数段だけど、一緒にあがって
ドアのところまで送り届けてくれる
「リレー、頑張ってください」
会釈して
校内へ入るドアをあけようとすると
…あれ、開かないな
と思ったら、センパイの手のひらが目に入って
…後ろからドアを押さえつけられていることに気づく
・・・どうして？
後ろを振りかえると、センパイが
・・・目と鼻の先にいて
あまりの至近距離にびっくりして
動いたらカンタンに触れちゃいそうな距離に
うわ、ってなって
思わず、体ごとセンパイのほうに振り向いた
ドアを押さえてない方の手で
センパイが
シーってくちびるに人差し指を当てたから
空のリンゴジュースの紙パックが
その手からするりと落ちて
ぽと、って音がした
少し前かがみにの姿勢になったセンパイの前髪が
目にかかって
まばたきをするたびに揺れる前髪と
ぽってりした唇を覆う
ゴツゴツした指先
なんでなんでなんで、って声を出すこともできない
ドキドキ鳴り響く自分の心臓の音と同時に
ドアの向こうの廊下から
声と、足音が聞こえてきた
センパイが
『セ、ン、セ、イ』って口を動かす
耳をすましてみると
たしかに、廊下から男の先生2人の声が聞こえてきた
先生たちが去っていくのを待つけれど
…そんなことより、
センパイの大きな身体に包まれるようなこの状況に
緊張で心がふるえて
うまく息ができなかった
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年6月23日 0時
