◇・*。放課後のシンデレラ。*・◇ (ページ7)

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◇菊乃Side◇

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今日の練習メニューが全て終わって

全員でグラウンドでストレッチをしていると、

一足先にサッカー部が引きあげているのが見えた

『おつかれさまでしたー！』

部長の掛け声で全員挨拶する

いつのまにかすっかり日は暮れていて

さっきまで火照っていた体にあたる風ががひんやりと冷たい

春の夕方は涼しい

ポニーテールをほどきながら小走りで更衣室まで急ぐ

Aと一緒に帰る約束してるけど

Aは着替えるのゆっくりだし、今行けばまだ間に合うかな

更衣室のドアを開けたら

せっけんやローズの制汗剤のにおいがあちこちからした

端っこのロッカーでAが体育着を畳んでるのが見える

菊乃「A、おつかれ」

「菊ちゃん！」

菊乃「部活どうだった？」

「楽しかったよ、菊ちゃんが走ってるのも見えた」

私が着替えている間

Aは横で制服のリボンをなおしたりしながら部活について話した

「レナさんはね、バド部の人と付き合ってるんだって」

菊乃「ああー廉残念だったね(笑)」

「ふふ(笑)」

Aと更衣室を出ると

ぎゃあぎゃあと男子が騒いでいるのが聞こえてきた

廉「ちょっ、岸さん帰らないんすか～～」

岸「俺教室に忘れ物とりにいかないとだから先帰ってて」

廉「もーーーーしょうがない人っすね岸さん」

岸「おいお前、俺は先輩だぞ！」

廉「岸さーーん」

岸「解放してくれぇ～」

ゲラゲラ笑う廉は

先輩にほとんどまたがるような格好をしてる

菊乃「…なにしてんのあの人」

無視しよ、って言った私の横でAがクスクス笑ったのと

廉が私たちに気づいたのはほぼ同時のタイミングだった

廉「あ、A！菊乃！」

廉が私たちに手を振ると

先輩が逃げるように階段を登って消えていった

菊乃「廉あんたうるさすぎ」

「廉くん、岸先輩と仲良くなるの早いっ(笑)」

廉「2人今から帰るん？俺もお前らと帰るわ」

菊乃「話聞いてる？」

廉「行くで」

ほんとに台風みたいなひと…

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