◇・*。放課後のシンデレラ。*・◇ (ページ36)

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結局センパイにじっと見つめられながら

ボタンを注意深く縫うけど

教室が静かになったらなったで

テスト期間で人が少ない放課後の静寂の中に

たっぷり包みこまれるみたいに教室がシーンとする

電気がついていない教室に

夕焼けの光が差し込んで、手元をきらびやかに照らすから

なんだか、夢心地な気分

ポロシャツみたいなデザインで

不器用にあいているボタンの穴を確かめながら

うまくボタンがハマるよう、調整したりしつつ

ちょっと大きすぎるこの穴も

センパイがあけたんだろうなと思ったら

なんだかちょっぴり微笑ましい

やっぱり先輩だから

怖いことに…変わりはないけど

紫耀「こっちのサイズのボタンもあるよ」

伸びた前髪が目にかかっているからか

センパイの表情が読みづらいけど

机に並べられたたくさんのボタンの中をかきわけて

今縫ってるのより少し大きめのボタンを

これ、って指差したから

それをとろうとした瞬間、

「…あっ」

センパイもそれに手を差し出して

一瞬、手が重なる

「ごめんなさい…っ//」

紫耀「めっちゃびびるじゃん(笑)」

「すみません…」

紫耀「マンガか(笑)」

ウケる、って笑ったセンパイのピアスが揺れて

目が合う

透き通った瞳で

わたしのことをじっと見て

紫耀「なにそのウブな反応(笑)」

って言った

紫耀「逆にこっちの調子が狂うでしょ」

センパイが頭を抱えるみたいに

サラサラの前髪をふぁさふぁさ、って揺らしてからかきあげた

うぅ・・・

そんなこと言われたって

急でびっくりしちゃっただけ

でもきっと、

センパイはこんなこと慣れっこで

…わたしが子供なんだろうな

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