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ホームルームが終わって
5分後には1時間目の授業がはじまる
1時間目が体育の人たちがちらほらグラウンドに出てくるのが見えた
菊乃「ねえA、」
わたしの前の席に座ってる菊乃ちゃんが
くるっと振り返った
菊ちゃんは高校でいちばんの仲良し
菊乃「今日から部活だよね？終わったら一緒に帰らない？」
「もちろんっ、一緒に帰ろう！菊ちゃんもグラウンド使うもんね？」
菊ちゃんは陸上部で
サッカー部の横で練習をするみたい
菊乃「そう、だからAのこと見れるし廉が基礎練サボってても見れる」
「ふふ(笑)」
菊乃「絶対手抜きそうだもん廉」
廉「おい！聞こえてんで！」
菊ちゃんの斜め前に座ってる廉くんが今度は後ろを向く
黒くてつやつやの髪の毛を揺らしながらうふふって笑う菊ちゃん
わたしと菊ちゃんは窓際で、廉くんも席が近いけど
海人くんは廊下側の1番前の席に座ってて少し遠い
廉「俺もしっかり目に焼き付けたるわ、菊乃が走ってずっこけるとこ」
菊乃「そんなことしないから」
『はあい授業はじめんぞー』って数学の先生が入ってきて、菊ちゃんも廉くんも前を向いた
授業前の挨拶と同時に
グラウンドからは『1、2、3、4〜』ってストレッチのかけ声がはじまるのが聞こえた
数学は苦手な科目のひとつで、
朝から数学の日は頭がぼーっとしてしまう
先生「じゃあ〜これ解いてみようか、高橋」
海人くんの名前が呼ばれて、
自分じゃないのに一瞬ドキっとした
「ええ〜」と言いながら海人くんが気だるそうに立ち上がって、黒板で問題を解きはじめる
まくった長袖のワイシャツから伸びる腕と
少し伸びてきて目にかかってる前髪に、
ドキドキする
海人くんの席が遠いのは残念だけど
授業中に海人くんの横顔が見られたりするのはこの席の特権
こんなに遠くに座っているのに
一挙一動にキュンキュンしちゃうんだ
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年5月29日 22時
