◇・*。放課後のシンデレラ。*・◇ (ページ30)

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◇菊乃Side◇

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廉を想う気持ちと、

さっきの喧嘩の余韻と

深澤さんの優しさに触れて

感情がごちゃごちゃになる

深澤「ま、廉の恋愛事情全然知らないからそこは置いといて、

とりあえず仲直りしてくれると俺的にも嬉しいかな」

菊乃「...考えます」

深澤「菊乃ちゃん、もしかして頑固？(笑)」

菊乃「・・・頑固じゃないです」

深澤「ウケる(笑)」

目を細めて笑う深澤さんの笑い声が心地いい

深澤「菊乃ちゃんはね、綺麗ってサッカー部でも評判だから」

菊乃「...深澤さんってもしかしてチャラいんですか？」

深澤「あはははっ！

令和一のプレイボーイだからね俺は…って違うわ！」

菊乃「...あきれました」

深澤「やめてよぉー冗談冗談(笑)」

商店街を通り過ぎて角を曲がれば

最寄りの駅につく

深澤「まーなんにしても、廉は悪いやつじゃないから大目に見てやってよ」

菊乃「・・・はい、そうします」

あたしも、

廉も、

叶わない片思いをしていて

その分、大人になりきれないんだとしたら

廉の想いを知ってる分、

切ない気持ちをこらえて、あたしから謝らなきゃいけないかなって思った

深澤「あ、あと岸ね、話してみたらすぐ分かると思うけどあいつほんといいやつだから(笑)」

菊乃「はい...ありがとうございます」

さらりと笑う年上のこの人は

廉や、他の同級生にはない魅力がある

余裕があって

周りが見えているがゆえの気遣いも

冗談まじりにそれを伝えてくれるところも

今日出会ったばかりだけれど、

もしかしたらあたしの廉への気持ちも、

・・・全部見透かされてるんじゃないかって思うと

言葉を慎重に選ぼばなきゃいけない気がして、

なんか

ぜんぶぜんぶひっくるめて、

...不服ながらドキドキした

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