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◇菊乃Side◇
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海人「廉、全然帰ってこないね」
サッカー部の人達といなくなってしまってからは
教室で静かに3人で勉強してるけど
廉がちっとも帰ってこない
「帰っちゃったのかなぁ...(笑)」
海人「勉強ニガテだからね〜」
菊乃「でもねあの人、ここにカバン置きっぱなしなの(笑)」
ノートも開きっぱなし
鉛筆も置きっぱなし
椅子の上に置き去りのままなカバンも
中身があいてて
ほんっと無防備なひと
でも、廉のカバンってだけで
...ちょっとドキドキするあたしもバカみたい
「5時くらいになったら帰ろっかな」
海人「そうだね、じゃあみんなでこの章頑張って終わらせよ」
菊乃「よしっ、そうしよ」
日が長い
もうすぐ5時だけど、外はまだ明るくて
来週から制服のシャツは半袖でもいいかも、なんて考えたりしながら
廉がはじめようって言った生物の勉強を先に進める
廉がいないと、時間の流れがゆっくりとすすんでつまらない
「...菊ちゃん、携帯鳴ってない？」
菊「あ、ほんとだ」
携帯を開くと、不在着信が入ってた
…全然気づかなかった
スクリーンには、
『廉』の文字
...それだけでドキッと心臓が大きく音を立てて
つい笑顔がこぼれちゃわないように、気をつける
続けてラインが届く
廉：【カバン置きっぱだから待っててー】
菊「廉からラインきて、カバンここにあるから待っててって(笑)」
笑いながら、
・・・廉からあたしに連絡がきたことを
嬉しいって思っちゃってる自分に
2人に気づかれていないいないといいなと思った
本当は自分の気持ちに気づいてすぐ
Aに報告したかったんだけど
・・・Aは廉の気持ちに気づいていないとはいえ、
それでもなんだか心がざわついてしまう
廉のことだから
Aと海人が2人で帰りたいかなって気を使って
あたしに連絡くれたんだろうけど
でも
やっぱり、嬉しいもんは嬉しいよ...
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作者名：エリ
| 作成日時：2022年5月29日 22時
