七話.顏合わせ ページ9
『…』
部屋に入ると、礼儀正しく正座した二人の男性が居た。
一人は木崎さん御本人だろう。
若い方だ。顔が整っていて、優しそうな顔だった。美男子さんである。
そしてもう一方が、木崎さんのお父さんであろう。こちらも優しそうな顔立ちだ。
私は母と、おふた方に向き合うように正座する。その間木崎さんとは目が合わなかった。
向こうも緊張している様である。
サン「北條サンいいます。Aの母です。
よろしゅうお願い致します。」
母が丁寧にお辞儀したのを見計らい、
私も畳に手をついて深く礼をする。
『私は北條Aです。どうぞよろしゅうお願い致します。』
私がそう言い顔を上げると、やっとと言うべきか、木崎さんと目が合った。
しかし、目が合ってからと言うものの、向こうはじーっと私の方を見続けるものだから、
今度は私の方が恥ずかしくなって、
目をそらしてしまった。
それから間もなく、木崎さんが自己紹介を始めた。
もちろん、その間。
私は怖くて顔を上げられずにいた。
木崎さん「木崎辰眞いいます。Aさん。よろしゅうお願い致します。」
『よ、よろしゅうおねがします…』
私はそーっと再び目線をあげた。
彼はやはり、まっすぐと私を見続けていて、
私は恥ずかしくて再び目をそらす。
そんな事が何回も続いた。
木崎さん…何を考えて私の事見つめているのだろうか。
木崎さんの父「辰眞の父の
サン「よろしゅうお願いします。」
そして一通りの自己紹介を終えたところで、姉が部屋に入ってきた。
径子「お茶です。どうぞ。」
姉は緊張していない様子だった。
手馴れた手つきで、お茶を出す。
弥太郎「すみません。」
辰眞「ありがとうございます」
径子「黒村径子。Aの姉です。
今日はよろしゅうお願い致します。」
そう言って姉は母の隣に座ると、いつもの(いつもよりも一層キツイ)目を木崎さんに向けた。
姉は恐らく、彼らを品定めしている。
母はそれに気づいたのか、
�爐笋瓩┠損辧�失礼じゃ��
とでも言うかの様に、二人に見えないところで軽く姉の膝を叩いた。
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★登場人物設定をご利用でない方へ
辰眞は「たつま」と読みます。
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なー(プロフ) - 初めて読ませていただきました。心温まるお話、続きが気になります！ (12月14日 16時) (
レス) @page27 id: 5a5cf333fe (このIDを非表示/違反報告)
さとみ - はじめまして。楽しみに読ませてもらってます。完結したお話しでも再開するのでしょうか？またお話し読めるのを楽しみにしてます。 (2022年9月30日 14時) (レス) id: 1dc70ba9d0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 最近すごく『この世界の片隅に』にハマっていたんですよ、、ストーリーもキャラクター同士の関係も最高です…更新楽しみにしていますね (2020年7月12日 23時) (レス) id: bc0dbb2048 (このIDを非表示/違反報告)
もえこ(プロフ) - お話が動き始めて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: 8b605c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
Reika(プロフ) - おかえりなさい^ ^作者さんのペースで更新頑張ってください！読みに行きますね。 (2020年3月15日 23時) (レス) id: 616ea4ec17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏 | 作成日時：2018年7月22日 11時
