十一話.異樣な建物 ページ13
辰眞「え、えらいボーとしとりますが、大丈夫ですか？休みますか？まさか熱があるんと違いますか！？」
『え？』
辰眞さんは突然足を止め、じっと私の顔を覗き込んだ。
私は突然のことに驚いたが、すぐに否定した。
『あ、ありゃ、いえいえ。平気です。それより辰眞さん、広島に思い出でも？』
辰眞さんはそれを聞くなり、再び手を引いて歩き出す。それから口を開いた。
日が暮れそうなので焦っているのだろう。
今立ち止まった分、早足で歩き始めた。
辰眞「ここらにゃ無いですね…
『はあ…』
辰眞「…」
『…』
そしてお互いに無言が続いてしまい、お互いの存在を確かめるのは繋がれた右手だけになった。
そして少し歩いて、川沿いに出る。
建物ばかりの場所から視界は開け、夕日と川が目に映った。
そして辰眞さんは橋を渡り、橋の途中で立ち止まる。そして彼は、柵に手をかけた。
『辰眞さん…？』
辰眞「わしゃアンタを…Aさんを、ここに連れて来たかったんじゃ。」
『はあ…』
辰眞さんにそう言われ、辰眞さんの見つめる方、夕日の沈む方を、目を細めて見つめた。
ゆらゆらと夕日は少しずつ沈んでいく。
辰眞「綺麗ですね…」
横目で辰眞さんを見れば、彼は目を細めてじっと夕日を見つめていた。
その時だった。
ふと、私は近くにあるものが目に入った。
その途端、私は美しい夕日なんて目に入らず、その異様なものに釘付けになった。
『辰眞さん…ありゃ、なんですか？』
私は辰眞さんと繋いでいない方の手(左手)で、それを指さす。
辰眞「ん？」
それは西洋風の建物で、
屋根はお椀を被せたように丸く、
そして薄い緑色をしていた。
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なー(プロフ) - 初めて読ませていただきました。心温まるお話、続きが気になります！ (12月14日 16時) (
レス) @page27 id: 5a5cf333fe (このIDを非表示/違反報告)
さとみ - はじめまして。楽しみに読ませてもらってます。完結したお話しでも再開するのでしょうか？またお話し読めるのを楽しみにしてます。 (2022年9月30日 14時) (レス) id: 1dc70ba9d0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 最近すごく『この世界の片隅に』にハマっていたんですよ、、ストーリーもキャラクター同士の関係も最高です…更新楽しみにしていますね (2020年7月12日 23時) (レス) id: bc0dbb2048 (このIDを非表示/違反報告)
もえこ(プロフ) - お話が動き始めて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: 8b605c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
Reika(プロフ) - おかえりなさい^ ^作者さんのペースで更新頑張ってください！読みに行きますね。 (2020年3月15日 23時) (レス) id: 616ea4ec17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏 | 作成日時：2018年7月22日 11時
