昭和 十八年 十月 ページ2
周作「Aを嫁に貰いたいいう人がおる！？本当か！？」
ある日の夜。
北條家の食卓には、私の兄である
周作の声が響いた。
円太郎「ああ。最も、
穏やかな声で父が言う。
サン「今朝方葉書が
今度会わせて貰えんか言うことじゃったよ。」
と、続く母。
径子「ほうなん？まあ
晴海「へえ、Aさんお嫁になるん！
おめでとう。」
と、姉と
私は家族それぞれの話しを聞きながら、姉の炊いた御飯を口に放る。
姉の炊いたご飯。いつも焦げている。
はてさて、弱ったねえ。
私は1度も口を開いていないのに
話しが勝手に進んでいく。
径子「でも、うちも晴海も、
明後日には１回帰ろう思うとったんじゃが…
『はぁ…気が早いよう、お姉ちゃん。
うちはまだ決めとらんし…』
と、私が言った。
すると皆はピシャリと箸を止め、
こちらを見る。
『な…なに？』
周作「なんじゃ。相手、知らんのか」
『知らん…くは…無い…けど。』
径子「で、どがいな子なん。相手は。」
兄と姉は私の方へ乗り出すようにして質問を重ねた。
『ええっと…』
サン「…小學校の同級じゃと。何でも、木崎さんいう方らしゅうてね。」
母は質問攻めにあって戸惑っている
私の代わりにそう答える。
これ以上質問しないでくれ。
私は心の中でそう思っていた。
なにせ小學校の同級といっても、
私は木崎さんのこと、何も知らない。
名前を聞いたことがあったかも？
というくらいだ。
『あ、いけん！』
確か私が、足を滑らせ泥沼に落ちた時。
木崎さん？「大丈夫かのう。この辺りはよう滑るけえ。」
などと言ってひっぱり上げてくれたのが木崎さんだった気がする。
気がする。それだけ。
その程度の記憶しかない。
それじゃあ、木崎さんは泥で
汚れた私を見て見惚れたことになる。
そんな変わり者、いるのだろうか。
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なー(プロフ) - 初めて読ませていただきました。心温まるお話、続きが気になります！ (12月14日 16時) (
レス) @page27 id: 5a5cf333fe (このIDを非表示/違反報告)
さとみ - はじめまして。楽しみに読ませてもらってます。完結したお話しでも再開するのでしょうか？またお話し読めるのを楽しみにしてます。 (2022年9月30日 14時) (レス) id: 1dc70ba9d0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 最近すごく『この世界の片隅に』にハマっていたんですよ、、ストーリーもキャラクター同士の関係も最高です…更新楽しみにしていますね (2020年7月12日 23時) (レス) id: bc0dbb2048 (このIDを非表示/違反報告)
もえこ(プロフ) - お話が動き始めて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: 8b605c37d7 (このIDを非表示/違反報告)
Reika(プロフ) - おかえりなさい^ ^作者さんのペースで更新頑張ってください！読みに行きますね。 (2020年3月15日 23時) (レス) id: 616ea4ec17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏 | 作成日時：2018年7月22日 11時
