公安所属ヒロイン/共同捜査/仕事の仲/相澤先生 (ページ8)

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行きよりも静かになった道を歩きながら、Aはホテルへ戻った。

ターゲットが出入りしていたビル、周辺状況など必要な情報を整理し、簡単な雑務をこなす。

A(思っているより長丁場になりそうだな…)

ふぅ、とため息を付き、窓の外に目をやり綺羅びやかな夜景を眺めた。

A(イレイザーさんと上手くやっていけるのかな…実力は申し分ないんだけど、いかんせん連携や相性が大事になってくるんだよね)

と、仕事の行く末に不安を覚えた。

長期の案件となると、個々の能力よりも互いの信頼関係や連携が問われる。

相澤との相性は悪い訳ではないが、良いとも言えないから心配になっている。

A(顔見知りだからかえってやりづらいのよねぇ…)

浮かない顔をしながら、バスタブにお湯を入れ、その間に化粧を落とす。

お湯がたまり、バスタブに浸かる。
足が十分すぎるほど伸ばせるバスタブだ。

ビューバス仕様になっていて、窓からはこれまた美しい夜景が広がる。

湯に浸かりながら、公安に所属する前の事をぼんやりと思い出す。

A(そう言えば、たまにイレイザーさんとも任務にあたったなぁ)

2人はほぼ同期。

どっちが上でも下でもないから、自然とお互い敬語で話していた。

A(というか、昔からあの人は口うるさかったわ…)

当時、任務中の動きや個性の使い方についてたびたび口出された事を思い出して気が滅入った。

A(結構私、強い方だとは思うんだけどな)

と、かつて口うるさく言われた事に未だ納得いかないようだ。