公安所属ヒロイン/共同捜査/仕事の仲/相澤先生 (ページ20)

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考えてみれば、なかなかあり得ない事だなぁとAは思った。

A(そもそも、こんな仕事してたら恋人なんて作れないし、居ちゃいけない)

そう、A自身よくわかっていた。

才能溢れる芸術家やアーティストが途端につまらなくなるという話がよくある。

その理由の1つが結婚したり、家族が出来たから。

守るべきものがあるから、自分の個を抑え、世や周りから求められるものを提供する。

そうすれば、大切なものを守れる。

安全な道を歩める。

それが賢い生き方ではあるが、本来の力は発揮できない。

そして、いつのまにかつまらなくなる。

プロヒーローも一緒だが、裏で活動している人間はより当てはまるのではないだろうか。

いつ自分が危険な目に遭うか分からない。

大切な誰かがいれば、相手は危険な目にさらされるかもしれない。

相手を守るために何かを犠牲にしなければならないときや選択を迫られるときだってあるだろう。

公安にいるからこそ、恋人や家族など大切な人の存在はリスクになる。

こちらの世界では当たり前のこと。

A(自分で選んだ道だからいいんだけどね)

そう、自ら選んで今の仕事をしている。

だから、恋人や家族がいない事が辛いわけではない。

これが普通なのだから。

A(…さて、準備もできたし、行きますか)

時刻は17時。

再び今日も例のビルへ、見張りをしに向かう。