ホトケノザ

37J ページ39

『好きやで』


大橋と向かい合って飯を食っていたら

出てきてしまった言葉。



外では言わんようにしてたのに。


今日は移動中に見た仕事の連絡メールの内容がずっと頭を巡っていて

不安

と

絶対やってやる！という強い気持ち

が入り混じってちょっと疲れてしまっていた。


俺と大橋2人がこの舞台で試される。


努力だけではどうにもならないことがある世界。
才能や華、生まれ持った素質が物を言う。


でもそんな世界で俺は
努力で今まで生き抜いてきたと思ってる。



大橋やってダンスと歌は
小さい頃からやっていたけど
事務所入ってからもレッスンに通いまくってスキルを上げていたことも知ってる。


ダンスが上手い
歌が上手い
面白い


ありがたいことにそんなことを言ってくれるファンの皆さん。

それでもいつも三列目やった俺たちは
絶対にこのチャンスをものにしなければならない。


俺だけじゃない。

大橋の人生もかかってる。


『大橋とやったら絶対できる。
なんで俺らが選ばれたかなんてわからへんけどさ
誰も口出しできひんくらい良い作品にしよう』

言いたいことはたくさんあったけど
とにかく俺にある最大限の語彙を使って伝えたいことを伝えた。




「…うん。
俺もじょうくんとやったらできると思う。」

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