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いつも笑っててダンスを教えたり話しかけたりするのが上手になった大橋は後輩に慕われてる。
先輩っぽくなったよなー
それでも俺といる時は年下全開になる大橋。
「じょうくん何食べてるん?」
『焼きそば。あげへんよ』
「欲しいなんて言ってないやん〜」
『見たら焼きそばって聞かんでもわかるや…』
「なぁじょうくん、俺のグラタンちょっとあげるから一口くれへん?」
やっぱりこいつは焼きそばが食べたいらしい。
昔から変わらない大橋のこと、可愛いとは思ってる。
「じょうくんはいつも僕のこと助けてくれるな」
聞こえるか聞こえないかわからないくらいの声で大橋に言われたあの言葉を思い出した。
白くて細くて女の子みたいだったあの時の大橋。
あれから体調を崩すことなんてほとんどなくなって、ダンスも歌もさらに磨きがかかったと俺は思う。
大橋は自分なりに何か乗り越えたんやろうな。
ヘラヘラしてるだけじゃなくて強い芯を持ってるって一緒にいたらよくわかる。
ほんまに負けず嫌いで
自分が納得いくまでやり通さないと気が済まない。
それでも俺のことは気にかける。
「じょうくん付き合わせてごめん
帰っても大丈夫やで」
『や、俺ももうちょっとやりたいし』
真剣な表情で鏡の自分を確認する大橋を見上げて
頼もしいシンメやなって思ったいつもの俺。
…綺麗やなって思った初めての俺。
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作者名:ぽんぬ。 | 作成日時:2019年9月26日 1時