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「…ルフィ、お前にはこれを渡しておく。」
そう言ってエースはポケットから出したある物をルフィに差し出した。
「(紙……？)」
「そいつを持ってろ！ずっとだ。」
「何だ、紙切れじゃんか。」
ルフィと一緒に覗き込めばただの紙切れに疑問符を浮かべた。
「そうさ。その紙切れが、俺とお前をまた引き合わせる。」
「へー…」
「いらねェか？」
「いや…いる！」
そうか、と笑うエースに何故かAは顔を曇らせた。何だろう、原作は読んだし見てたのに何故か気持ちが落ち着かない。
「出来の悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ。おめェらもこいつにゃ手ェ焼くだろうが…よろしく頼むよ。」
一味に向かって頭を下げるエースにAは受け取った青い石をぎゅっと握りしめる。
「それに、この不器用な妹分もな。」
「！」ポンポン
すれ違い際に頭を軽く撫でられて目を丸くした。見ればフッと零れるように笑ったエースが逆光で光る。
「もうちょっとゆっくりしていけばいいじゃねェか！！久しぶりに会ったんだし。」
「言っただろ、お前に会いに来たのはコトのついでなんだ。」
エースはそう言って甲板から飛び降りる。そこにはいつの間にか小ぶりの舟があった。
「俺は『重罪人』を追ってる…。最近『黒ひげ』と名乗ってるらしいが、もともとは『白ひげ海賊団』の二番隊隊員…俺の部下だ。」
「その重罪って…」
「ああ… 海賊船で最悪の罪、奴は仲間を殺して船から逃げた。」
そう口を開いたエースの眼は静かな怒りで滾っていた。エースは強い、それはスモーカーや海軍を抑え込んでくれた実力で分かる。けど
「隊長の俺が始末をつけなきゃならねェってわけだ。」
「(その眼が落ち着かないーー…。)」
怒りに燃えるその瞳に何故かはやる気持ちが収まらない。
「(………隊長が一人で？介添人もなく？隊をいくつも抱えてそうな大きな海賊団が…)」
一人だけを行かせる…？そんな疑問が浮かび上がるのを他所にエースは出航の準備を済ませたのか笑顔で振り返った。
「ルフィ、次に会う時は海賊の高みだ。」
ルフィにそう告げるエースにAは握り締めたペンダントを高く上げた。
「！」
「預かっただけだからね！」
突然のAの大声にエースが驚いて目を丸くする。
「ちゃんと取りに来て！」
「…ああ…」
取りに来るよ、約束だ
そう言って笑ったエースの笑みにAはようやく安堵の息が溢れた。
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natto710(プロフ) - Chaosさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！今後ともよろしくお願いします＼(^^)／ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: ca90458da5 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2019年11月15日 0時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イト | 作成日時：2018年10月26日 9時
