16 ページ16
「大丈夫よ。」
「ダメ。」
絶対引かない、と言いたげなAにナミは溜息を吐いた。
「おい！てめぇら仕事だ！出てこい！シートについて左舷から風を受けろ！」
「おう！」
「(おお〜、ゾロって航海術持ってるんだ…意外。)」
ルフィが駆け出していくのを他所に、甲板で海を見ていたゾロにAは素直に感心した。
「何事だいナミさん。ナミも静かでいい天気だぜ？」
「真正面から大きな風がくる。・・・多分ね。」
首を傾げるサンジにナミは話すが、少し意識が朦朧としている気がしてならない。すると
「あちい！やっぱり船止めて医者に行こう！」
ナミの額に手をあてたルフィがその熱さに驚いて声を上げた。それにAも切なげに眉を寄せる。
「バカ言ってないでロープ引いて！！」
「みんなにお願いがあるの…！」
そんな時、突然の声に振り向くと意を決したビビが部屋から出てきたのが見えた。
「乗せてもらってこんなこと言うのもなんだけど…私の国は大変な事態に陥っていてとにかく先を急ぎたい。」
話し始めた内容にみんなが耳を傾ける。
「これからこの船を最高速度でアラバスタ王国へ進めて欲しいの！」
「当然よ！約束したじゃない！」
汗だくになったナミがニッと微笑む。その姿が辛くて胸が締め付けられた。
「だったら…
すぐに、医者のいる島を探しましょう！一刻も早くナミさんの病気を治して、それからアラバスタへ！それがこの船の最高速度でしょう？！」
「え…！？」
「・・・そーさ！！それ以上はスピード出ねぇ！」
呆気にとられるナミを他所にルフィはニシシと歯を見せて笑う。
「よく言ったビビちゃん！惚れ直したぜ俺は！」
「いい度胸だ！」
嬉しそうに叫ぶサンジとゾロも心なしか嬉しそうで私はホッと胸を撫で下ろした、その時
「「ぎゃーーー！」」
突然巨大なサイクロンが目の前に現れてウソップと一緒になって叫ぶ。
「ビビ・・・ごめん。私、やっぱりヤバイ・・・みたい。」
その瞬間、気の抜けたナミが私の胸の中で倒れた。
「ナミ！」
「ナミさんしっかり！」
ナミを支えながら崩れ落ちるとすかさずビビが駆け寄った。
「あのサイクロンがある方はさっきまで進んでた方だ！」
「危ねえ！ギリギリだったなぁ！！」
サンジとルフィがサイクロンに冷や汗をかく。
「(この海域抜けられるかなぁ…)」
その最中、私はナミ抜きで向かう海域に頭が痛くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
natto710(プロフ) - Chaosさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！今後ともよろしくお願いします＼(^^)／ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: ca90458da5 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます。 (2019年11月15日 0時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：イト | 作成日時：2018年10月26日 9時
