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あれから楓村を出て数十里、歩いて飛んでようやく岩肌から見えてきたひっそりとした森林に小さく息を吐いた。



「(さて…、どこにいるか。)」



フゥ、と息吹に乗った式神たちが鳥の形に変わり地上に向かって降りていく。




「(あとは帰ってくるのを待つだけだが‥)……‥ん?」




突然雲行きが怪しくなり空を見上げると暗雲渦巻く曇天から犬妖怪が空を走った。





「(………なんか既視感。)」




何もする事なく通り過ぎていく犬妖怪をしげしげと見ているとこちらに気付いて目がかち合った。



ゥウ…


「(・・・・・・顎で促された。)」



まるで付いて来いと言わんばかりに飛んでいくその妖怪が気になって後を付いていく。すると飛んでしばらく空に浮かぶ立派な居城が見えてきた。




ファサ・・


「・・・・・まさか・・ねぇ…。」


一緒に降り立って変化していくその姿を見据えたままAは小さくため息を吐いた。




「何者だ貴様!?」
「清夜妃様に並ぶなど…」




「煩い、下がれ。」




女の声にしんと静粛が訪れる。守衛が頭を下げて身を引いていくと人型になったあの犬妖怪が扇子で来るように促してきた。





「(似てるな……。)」




艶やかな銀髪の狭間に浮かぶ三日月の印、そして胸でぼんやりと光る冥道石は前世で苦労して手に入れた産物だった。





「殺生丸の母上殿…か。」


「フフフ…、まさか人間の小娘がそれを持つことになろうとは、やはり血は争えんな。」



玉座に落ち着いた女から扇子の切っ先を向けられて私はハッとした。ということは



「其方・・・・、殺生丸の何じゃ?」



「…………んん"//」



唐突でストレートすぎる問いに唸り声が出る。十六夜様の従者で、犬夜叉の育て親だけど…




「(………あれ?何だろう・・)・・あえて言うなら顔見知り?」



「・・・・ただの顔見知りではないじゃろう。その簪は妾が殺生丸に形見として手渡したもの。殺生丸が其方に渡したということは愛しき者と認めてのことだろう?」

「・・・・・・」石化))


慣れない直球な意見にAは思わず思考停止した。しかしそうとは知らず目の前の母上殿は不思議そうに首を傾げていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
※殺生丸のお母さんの名前が分からないので、ここでは清夜妃(きよひめ)と設定させていただきます。

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ゆうみん - 犬夜叉もなぜ、彼女ちゃんが気になる。もしかして好きなのかな、次回楽しみです (2022年1月9日 10時) (レス) @page32 id: ef5d083eda (このIDを非表示/違反報告)
natto710(プロフ) - pa_m_083さん» ありがとうございます!ほんのちょっと更新しました!もし良ければお読み下さい! (2021年8月24日 8時) (レス) id: 10dd1f82d2 (このIDを非表示/違反報告)
natto710(プロフ) - むつきさん» 遅くなってすみません(;▽;) (2021年8月24日 8時) (レス) id: 10dd1f82d2 (このIDを非表示/違反報告)
pa_m_083(プロフ) - とっても面白かったです。更新待ってます (2021年7月12日 0時) (レス) id: b7f8e21940 (このIDを非表示/違反報告)
natto710(プロフ) - 瑠李さん» すみません!書いて消したりしてたので、29話が30話になってました(;_;) ご指摘ありがとうございます! (2021年5月3日 12時) (レス) id: 0b5fbc3faf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:natto710 | 作成日時:2020年5月30日 18時

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