【るろうに剣心】no name (ページ8)

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「桂、冗談だって冗談。」

「お前のあれがどこが冗談だ･･。」

「大丈夫か？」

カラカラと笑う高杉に桂はため息を吐く。金平糖を拾い終わったAは気にした様子もなく座り込むと緋村が横に腰を掛けて肩を摩った。

「え？特に何もないけど･･。緋村も食べる？」

「･････いらん。･･食い気の多い女だな…。」
「だって金平糖って私のお駄賃じゃ高いんやで！？」

「ぷっはっはっは！気に入ったか？金平糖。」

笑いながら三味線を奏でる高杉に桂は疲れたように茶を淹れ始めた。

「でも金平糖気に入ったくらいじゃ返してやれんなぁ～。」

「わがままやなぁ～。それやったら友達くらいになってあげよか？」
「本間か？」

「高杉さん…、それでいいのですか？」

いつの間にか仲の良い兄妹のようにじゃれている2人に緋村が呆れて問うた。

「やべ、いつの間にか妹たちと同じ流れに･･。」

「じゃ、そういうことで。」

「待て待て･･、それでも困る。」

「ﾁｯ」

自然な流れで庭からお暇しようと思ったら緋村にすかさず止められた。本当に残念。

「もうええやん、チクらへんし～。っていうか、連れてきたんそっちや～ん。」

「…………俺に言うな; 」

ご丁寧なことに拘束する緋村に文句を言うと渋い顔をされた。

「…悪かった; 不用意に話すことではなかった。」

「………もう別にいいけどさ、私がいなくなったら割と大変やで？」

「それは一体どういうことだい？」

叱り終えた桂がAの話に耳を傾けた。

「私の友達は新撰組だけちゃうってことや。私がおらんくなると…ここがバレるで。」

「…………それは困るな。」

笑顔のまま話すAと桂に高杉と緋村は苦い顔をした。

「君のせいで負担が増えたぞ？どうしてくれるんだ、晋作？」

「気にしすぎだろ。それに…」

ストンと前に座った晋作がじいっと私の顔を見た後ににかっと笑った。

「友達にはなってくれるそうだしな？」

「仕方ないなぁ…」

「ああ？」

声を荒げる晋作に向けて私はすっと手を差し出した。

「よろしく、晋作。」

「晋作にいちゃんな。」
「じゃあ長いし、晋にぃで。」

「おお…！」

「それに桂さんと、…緋村さん下の名前は？」

「………抜刀斎。」

少し躊躇いがちに口を開く緋村にAは首を傾げた。

「それが貴方の本当の名前？」

「……いや、」

頭を振った緋村が静かに口を開いた。

(剣心…)(よろしく！剣心！)