【るろうに剣心】no name (ページ7)

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「緋村さーん！」

「何故お主がこの屋敷に！？」

それから桂さんに連れられて緋村がいる屋敷にあそびに来た。

「私が連れて来たんだよ。」

「桂さん‥」

戸惑い気に桂さんを見上げる緋村を無視して私は彼に抱き着いた。彼の手は一瞬ビクリと震えていたが私は知らないふりをする。

「途中まで晋作も一緒だったんだが、いや･･面白い子だね。」

「･･････それだけで？」

「････面白いって結構な才能やんって思うで？」

緋村の訝しむ声に私は間もなくツッコんだ･･ら、緋村が何言ってんだコイツって言いたげな目で見てきて悲しくなった。なんでやねん。

「この子の思想は大事にしなくてはならない。この思想はいずれ次の時代では必要になるのだから‥。」

「！」

「私と緋村さん‥そんなに歳は変わらないよ？」

2人の真剣な空気感を遮ってAは言う。すると緋村がなんとも言えない顔をして私の両肩を掴んで私と視線を合わせた。

「お前、いくつだ？」

「十！」

「･････5歳も違うじゃないか…。」

溜息を吐く緋村に桂も苦笑した。いやいや、社会に出たらそうも変わんないよ。失礼だな。

「そう思ってるのは緋村だけだよ。」

「！」

「‥確かに。その考えは人それぞれだ。」

豆鉄砲をくらったような顔で止まる緋村に私はしてやったりと桂と一緒に笑った。

「さて、A。君さえよければここで勉強しないか？」

「勉強？」

その言葉に首を傾げれば、桂は一冊の本を見せた。

「"儒学"････。」

「そうだ、よく知ってるね。」

「････儒学の本なら、私は兵学や蘭学書の方がええな。」

「「！！」」

この発言に二人は驚き警戒の色を出す。

「ぷっ…っはっはっは！！とんだじゃじゃ馬だなァ！！新選組のお嬢ちゃんは･･！」

「晋作！いたのか･･」

「初めから知ってたんだ･･。」

賭ける前に私の人生終わった、と私は悟って肩の力が抜けた。まぁだって兵学書は屯所にあるけど手が出せないし出しにくいし、蘭学書は屯所じゃ置いてないから興味あるんだよね。

「嬢ちゃん、これやるから俺達の密偵になんねぇか？」

「これはもらうけど、密偵にはならへんなァ。」

パラパラと出された金平糖がもったいなくて拾い上げると晋作はまた楽しそうに笑っている。

「そしたら生きて返されんで？」

「そういう世がお好みなら。」

「晋作！」

ギロリと鷲のような鋭い目に睨まれるが臆さず私は円らな目で睨んだ。