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「蒼紫く―――ん、遊びましょー!」

「何しに来た、暇人。」



河原で桔梗の花を見つけたら蒼紫のことを思い出して葵屋まで訪れた昼下がり。翁が快く入れてくれた中庭で蒼紫が操を抱っこしてあやしていた。


「操〜〜〜Vv」

「ねーね!」


むぎゅっ

「俺を巻き込むな、A。」


蒼紫ごと抱きしめれば操は楽しそうに笑い声をあげた。


「これお土産。操にあげるね。蒼紫が責任取って育ててよ。」

「何だ・・、桔梗か。」


操に持たせた桔梗を興味なさそうに見下ろす蒼紫に私は小さく笑った。


「操のお気に入りの色だもんね、蒼紫と葵 屋の色だもん…。」

「……そうか。」


はしゃぐ操を見て蒼紫が小さく微笑んだ。




「それよりお前・・、気を付けろよ。」

「何が?」


操の頭を撫でながら忠告する蒼紫にAは眉をしかめる。


「攘夷派の動向が怪しい・・。いま皆が探りを入れているが…、早まった真似をするなよ。」

「・・・・・・ありがとう。」


蒼紫の言葉を聞いて私はひどく胸が痛んだがそっと知らぬふりをして笑った。それを悟ってかは分からないが蒼紫はぶっきらぼうに私の頭を撫でた。


「う?」


操は訳が分からないような顔をしていたが、なんだか安堵してしまって笑いが込み上げた。




もうすぐ、池田屋事件が起きる――――



「そこから・・(時代は大きく変わっていく…。)」



「…何を考えている?」

「……いつまでもこんな平穏が続けばいいのに、って。」


そう呟くように言えば蒼紫の手がピタリと止まった。



「いつまでも続くまい。いずれまた動乱の世に戻る。我らはその為にいるのだからな。」


「せやねぇ〜…。でもそれやったらなおのこと、いまの一時を大事にせな・・な。」



「…ふん。」


蒼紫が小さく鼻で笑った。それに操は不思議そうに首を傾げたが、しばらくして楽しそうにまた笑いだした。



「また来てたんですね、お嬢。」

「般若くん!」


ひょろっとした腕をあげてやってきた般若に駆け寄ると軽々と肩に担ぎあげてくれた。



「高い…!! 蒼紫より高い!」

「……般若、落とせ。」

「蒼紫酷い。」


上から見下ろしていたらギラリと蒼紫の目が光って思いのほか怖かったのはたぶんこれからもずっと忘れられない。

(お嬢、来てたのか。)(式尉さんにひょっとこ、癋見ん!)(おぉ〜!お嬢!)(なんで俺だけべしみんなんや。)

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玉ねぎ(プロフ) - 続き待ってます! (12月31日 1時) (レス) @page15 id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:natto710 | 作成日時:2020年3月25日 21時

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