【るろうに剣心】no name (ページ2)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:3,884 hit

2 ページ2

という設定のもと、

「私はこの世界にいるわけで。」

今日も今日とて山崎さんからのお使い(という名の任務)に出掛けている私、八木A8歳である。

「(ていうか、前世あるから仕事出来てるけど…私これでも8歳児なん分かってんのかな？)」

普段の仕事は子供という手前、警戒されることが少ないことから監察方がマークしている人探しがメインでいまは密偵の一人から文を受け取った帰りだ。

「あ、Aちゃん？」

「総司くーん！」

巡回していた総司くんがこちらに気づいて声をかけてくれたのに駆け寄った。

「お使い？」

「そうやねん。ちょうど終わったとこ～」

一番隊の隊士たちの列に並んで歩き始める。

「Aちゃん、えらいね～。」

「八十くんもいつもご苦労さま。」

この隊は総司くん含め他の隊より年齢層が若い。隣に並んでくれた山野八十八くんは優しいお兄ちゃんで爽やかなイケメンだ。総司くんは甘カワ系だから女子の需要が高い。

「おや、A。おかえりなさい。」

「斎藤さん、ただいま～」

「永倉さんが探してましたよ。何でも新しい技の練習をされるそうですね。」

屯所に入ってすぐ鉢合った斎藤の言葉にAはああ、と小槌を打った。

「あまり無理はするな、Aは女の子なんだからな。」

「ありがとう、八十くん！でも剣術楽しいし頑張ってみんな。」

「あの永倉さん相手にそんな前向きなこと言えるのAくらいだよ;;」

青白い顔をする八十くんに私は思わず笑って視線を合わせてくれていた八十くんの背中を撫でた。今度想い人の好きな物でも調査してあげよう。

「さて、斎藤さん！山…」

「ここにおったか！A…！」

「……永倉さん、早い。」

突然視線が高くなった事に驚くことなく振り向けば永倉さんがニカッと笑って私を担ぎあげた。

「A、すぐ道場に行くぞ！！」

「八木さんの御息女ですよ、あまり無理はさせないで下さいね。」

「斉藤さん、言葉に全然気持ちが篭ってないですよ。」

「はははは…！」

担ぎ上げられた私を助ける様子もない斉藤さんにツッコむと総司くんが盛大に笑った。

「僕も手伝いますよ。」

「新手が…」

「A、死ぬなよ。」

ダンダラの羽織を八十くんに預けた総司くんがいい笑顔で振り向いたのに内心冷や汗が出る。

(よし行くぞ！皆！)(…逝ってらっしゃい、)(ちょっと待って！山崎くん！)(これは俺が預かっておく。)(！？(いつの間に！？))