他愛のない話もたくさんしましたね。 ページ3
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「赤葦くん、次の授業なんだっけ?」
「数学だよ」
入学式を終えてから約一月の間、隣同士の席でたくさんお話をしましたね。
「数学かぁ・・・」
「数学苦手なの?」
私はその時のことを、全てではないにせよまるで昨日のことのように覚えています。
「数学というより、先生が苦手かな・・・。怒ると怖いし・・・」
「そっか」
「自分が怒られてるわけじゃなくても、なんか萎縮しちゃうっていうか・・・だからちょっと苦手」
「確かに結構すぐ怒鳴るところあるよね、あの先生」
そういえば、赤葦くんと私が交わした二つ目の秘密を、まだ覚えていますか?
「でも俺、この前あの先生がすごい落ち込んでるとこ見掛けたんだよね・・・」
「・・・え?落ち込むって・・・あの先生が?」
「うん。また生徒に強く言い過ぎたーって」
「・・・え、あの先生が?」
「自動販売機に向かって相談してた」
あの時の私は衝撃が強すぎて、たぶんその話を一生忘れることはないと思います。
「そう・・・なんだ・・・」
「あ、でもこれは誰にも内緒ね。あの先生の威厳のためにも」
「・・・うん。わかった」
それからは、あの先生が他の生徒に怒鳴っていても、あまり怖いとは思わなくなりました。
これも赤葦くんのおかげです。
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2年生になっても同じクラスで嬉しかったです。→←初めて会ったのは、入学式の時でしたね。
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作者名:いぬねこ | 作成日時:2018年3月31日 13時